第一話:始まりはいつも突然に
はい、新シリーズです。頑張っていこうと思いますが、月に一本出せたらいいな。
くらいの軽さで書いていきます。
本編です。どうぞ
「ふぁ~、よく寝た」
俺の名は藤野高明。みんなからはタカって呼ばれてる。
「今日はいい天気だ」
そう、今日はとてもいい天気だった。だから、何か良い事があるような気がしていた。
あんな事が起こるまでは・・・。
◆
「え~と、形式とかめんどくさいから手短にいかせてもらうよ」
「うん。どちら様でしょうか?」
ここは何もない真っ白な空間。居るのは俺ともう一人の男。
どうしてこんな場所にいるのかといえば、かなりややこしい事になるのだけれど。
「ん?神様だよ、神様。今からお前は勇者だ的な?ことを伝える」
「いや、訳わかんないんだけど」
本当に訳がわからん。さっき俺は死んだんだ。安らかに眠らせてくれ。
しかし俺の前にいる男は俺を眠らせてはくれないらしい。
「いや、お前もう死んだじゃん?だから、少し勇者になって世界を救ってくれないかな~って」
「いやいや、待てよ。死んだら勇者になって世界を救えって、テンプレすぎるだろ」
ありきたりすぎる。
「ありきたりだからこそ、君が選ばれてもおかしくないって考え方はないのかい?」
「俺は特別じゃなく、死んだら勇者になるってのが当たり前って考えろと?」
「そうそう。死んだら大抵皆勇者になる」
約32%が勇者になるらしい。
なんか妙に現実味のある数値だ。
確率は3人に1人くらいだ。
多いな、勇者。俺らの世界にもいたかもしれない。
「どっちかっていうと転生っぽい気もするけどな」
「体はそのままだから厳密には転生じゃないけどね」
「第二の人生か」
今度こそ失敗しないようにしよう。
一回目より、バイオレンスな世界に行くけど。
せっかくのチャンスだ。おおいに楽しませてもらおう。後悔しないように。そして、感謝しよう。テスト勉強から逃れられたことに。
◆
「さて、異世界に渡るにあたって、君のパートナーを決めなきゃいけないんだけど、この3人のうち、誰がいい?」
そんなゲームの最初の一体みたいな感じでえらぶのかよ!
「うん?不満かい?」
「いや、不満じゃないけど・・・」
この中から選べ系は苦手なんだよなー。
「えーと、じゃあ、これ!」
目をつむって三回転し、適当に指さす。ちょうど真ん中の赤髪の子になった。
「うん、・・・この子を選ぶか。なかなかにチャレンジャーだね」
どうゆうことやねん。え?なに、もしかしてヤバイの引いちゃった?
俺の表情で察したのか、神を名乗る男は言った。
「この子はねぇ、炎系の魔法使いなんだけど、テンション上がると炎を纏っちゃうんだよね」
「それは大丈夫なのか!?」
パーティーメンバーとして。そして、人として。
「まぁ、限りなくテンションが上がった時だけだから、基本的には安全だとおもうよ」
「できれば常時安全であってほしいんだけど」
「ある程度不完全なところに萌えないか?」
「いや、ドジっ子も限度があるから」
「そんな、高明君は私じゃだめなの?」
「いや、そうゆう訳では・・・。」
ん?ちょっと待て。今の声はどこから?
「酷いよ。私、ちょっと失敗することもあるけど、一応魔法学校を主席で卒業して神様にスカウトされて、どんな人とパートナーになるのか楽しみにしてたのに」
え~。泣き始めちゃったんだけど。ど、どうすればいいの俺?
「え、てか、いつから聞いてたの?」
「あなたが指さした時から」
ふむ、その時か。
「てめぇ、謀ったな!」
神に向かって言う。
「いや、別に謀ってたわけじゃないんだけど」
「現に女の子が一人泣いてるじゃないか!」
「その原因は君だろ」
なんだと!?
「そうなの?」
恐る恐る聞いてみる。
コクリと頷く女の子。
マジか~。俺か~。
「ご、ごめんね。え~と、」
「マドカ」
そうか、マドカっていうのか。
「ゴメンな、マドカ。別にドジっ子が嫌いな訳じゃないんだ」
「別に私、ドジっ子じゃないもん」
ん?じゃあ、ドジっ子扱いされた事に怒ってるのかな?
「そうだったのか。ゴメンな」
「うん」
今ので許してもらえるとは。女の子はよくわからん。
「悪いけど時間だ。もう異世界に渡ってもらうよ。続きは向こうでやってね」
「あ、おい、ちょっと!」
俺の言葉は真っ白な光と共にかき消されてしまうのだった。
・・・何も説明とか受けてないんだけど・・・。
◆
「ついた~!」
「ついたね~」
ここはさっきの真っ白い空間ではなく、緑の広がる草原だ。
「うん。空気がうまい」
「それに、とってものどかそうだよ」
「確かにな」
ピクニックなんかで来たら最高な場所だ。
・・・マドカが燃えてなければ。
「まてまてまて!いきなりですか!?テンション上がりやすすぎるでしょ!?」
メチャクチャメラメラしてるんですけど。
「え?・・・うぁあ!」
驚いたのか、マドカが纏った炎が一瞬大きくなったがすぐに落ち着いたようで、炎が小さくなっていく。
お、おお。炎が消えてく。
初期消火活動(?)が功を奏したのか、草原に火は燃え広がず、小さな円ができたくらいで済んだ。
よかったよかった。
「高明君」
「タカでいいよ」
皆からそう呼ばれてたし。
と、付け加えると、
「じゃ、じゃあ、タカ君」
なんで、そんなモジモジしながら言うんだよ。燃えちゃうだろ。いや、萌えちゃうだろ。
「うん。何?」
「えっとね、私も詳しくは知らないんだけど、この世界は六つの大国に分かれてバランスを保っていたらしいんだけど、一つの大国が他の国に侵略を初めて、バランスが崩壊しそうなんだって」
「ほー。一つだけなら、他の国で手を組んで抑え込めそうだけどな」
だからこその『バランス』なのだろう。一人が抜け駆けしないように、みんなで平等にしましょう、ってな。
「私もそう思ったんだけど、他の国が手を組んでも倒せない新兵器があるんだとか」
なるへそ。だから勇者が派遣されたと。・・・丸腰で。
いや、そんな国が手を組んでも倒せない奴らを丸腰で戦えって、そりゃねーぜ。
「そういえば俺、武器とか何一つ貰ってないけど、どうすればいいんだろ」
近くに町とかあればいいけど。
「近くには何もなさそうだね」
うむ、見事な草原が広がっていますな。
近くに町どころか村すら見当たらない。
そんなこんなで、歩いて一時間程したら。
「見て、タカ君。看板があるよ」
「本当だ。あそこで少し休もう」
「そうだね。私も少し疲れたよ」
見えてきた看板に書かれていた文字は「この先四十キロ先、シロナ村」と書かれていた。
「よ、四十キロ」
「長いね」
下手したら、村に着くのは夜になりそうだな。
それでも、進まないとな。
「少し休憩したら行こうか」
そう言って野原で休むこと数分。
「よし、行こうか」
「うん」
少し俺らは考えるべきだったのかもしれない。
そう、世界がどれだけ恐ろしい世界なのかを。いや、俺のいた世界が、どれだけ平和な世界だったのかを。
◆
村に着いた頃には夜になりかかっていたが、まだ日のあるうちに着くことができた。
しかし、そこで見たのは・・・
「た、助けてくれ~!」
「やめろ!やめてくれ!」
「お願い!この子だけは!」
モンスター、正確にはゴブリンの様な化物に襲われている村の人たちだった。
「何なんだよ、これ」
「酷い・・・。こんなことが」
マドカも驚きを隠せないようだった。その惨状は女の子に、いや子供でも、見るようなものじゃないと思う。本当に人が死んでるのだ。平和な島国で生きてきた俺に、そんな耐性があるわけがない。
本当に、来てしまったのだ。殺し殺される世界に。
でも、
「助けなきゃ」
「そう、だね」
俺達は、勇者なのだから。己が信じた道を通るために、己が正義と信じたものを、守るため。
「そんなところで何してるんだ!早く逃げないと、やられちまうよ!」
返り血だろう。血まみれのおじさんが俺達に声をかけてくれる。
優しい人なのだろう。逃げることですら精一杯なのに、俺達に逃げろと言ってくれるのだ。
そんな人を、犠牲を、もう出させない!
「大丈夫です。ありがとうございます」
「え?」
「いかなきゃ」
「あんな化物に勝てるわけがねぇ!早く逃げるんだ!」
「俺達はアレを倒さなきゃいけないんです」
そう言うと、おじさんは少し考えた後、
「やはりバケモンでも刃物が効く。でも、囲まれたら危険だ。あいつらは集団行動が得意だ。一体一体の力はそうでもないが、あれだけたくさんいると対処のしようがない」
と言った。
「ありがとうございます。参考にさせてもらいます」
「いや、そんな眼差しをされちゃ、止められねぇ。兄ちゃん、あれを倒せるのかい?」
見るに五十はいるであろうゴブリンの大群を指して言う。
「きっと、何とかします」
「そうかい。・・・ならこれを持っていきな」
そういって腰から何かをとり、俺に渡してくる。
「これは?」
「護身用に持ってきた剣さ。使ってくれ」
「本当に感謝します」
「俺は逃げさせてもらうよ」
「はい、ご無事で」
「兄ちゃんたちもな」
おじさんは剣を置いて、草原の方へ逃げて行った。
「ありがたく使わせてもらいます」
お、重い。
「ものほんの剣ってこんなに重いのか」
まぁ、西洋剣って、こんなにも重いものなの?
後でマドカに聞いたのだが、(なんで俺の世界のことを知ってるんだろう?)日本刀の重さは約一キロ、そして西洋剣は約三キロらしい。(一応両手剣だが、二.六キロ程らしい。)とてつもなく重いことはわかってもらえただろうか。
細かいことだが、日本刀は『叩っ切る』を主眼に置いているが、西洋剣は『叩き潰す』ことに主眼を置いているらしいぞ。皆、良かったな。いらない知識が増えたぞ。
しかし、重たくて持てない。というか、引きずってる。
こんなんで戦えるのかな?俺ここで死んじゃうんじゃね?ゲームオーバーしちゃうんじゃね?
タカ死亡一回目
みたいな。
二回目はたぶん無い。
・・・とりあえず振り回してみるか。
「オラオラオラオラオラオラオラ~!!!」
皆もやったことあるんじゃないかな?一人の足を抱えて、振り回すあれ。
あれを西洋剣でやっております。あれ、意外と蹴散らせてる。
「オラオラオラ~!!!あっ!」
ヤッベ、すっぽ抜けちゃった。あ、ゴブリンの一匹に刺さった。
「ちょっと、タカ君何してんの!?」
「いや、重かったから、振り回したら使えるかな~って」
そう言いながら剣を抜く。うわ~血がグロい。これに慣れないといけないのか。
「ちゃんと持てないなら言ってよ。ほら、重量操作で軽くしてあげたから」
「か、軽い」
こんなこともできるのか。俺も今度教えてもらおうかな、魔法。
「やっぱり軽くしすぎると、本当の重さに耐性ができないかな?」
重っ!いきなり重くしないで!
「あの、重いんだけど」
「でも、半分くらいの重さなんだけど」
「う~ん。まぁ持てるからいいか」
明日とか筋肉痛になりそう。
「ほら、ゴブリンがこっち来てる」
「うわっ、危なっ!」
ゴブリンの剣が振られる。いや、別に告ってないよ?薙ぎ払ったほうの振るだよ?
え?聞いてないって?サーセン(笑)
え?大事な初戦闘だろって?そんなものは知らん。犬にでも食わせとけ。(猫でも可)
「えいっ」
マドカの手にいつの間にか弓が握られており、その弓には炎の矢が。
ん?なんで炎でできた矢を持てるんですかマドカさん。あと、弓の糸、よく燃えないね。
魔法って、便利。
「じゃなくて、敵来てんじゃん」
「だから、タカ君も戦ってよ!」
「へ~い」
そんなこんなで無双すること十数分。
やっとこさゴブリンの群れを殲滅した俺らは、村の建物に体を預けていた。
「・・・倒したな」
「・・・倒したね」
よく動いたな、俺の体。いつも運動不足で悩まされていたが、そんなこと言ってる余裕はなかったからな。
「剣、ボロボロになっちゃったな」
そもそも、日本刀でもなんでもそうだが、武器は手入れをしなきゃすぐに壊れる。使い方が悪けりゃなおさらだ。
「武器は一本がいいの?それとも複数ほしいの?」
マドカが聞いてくる。
「一応、二本あるといいかな?」
基本は一本。やばくなったら二刀流的な?実際慣れないと、逆に弱くなるらしいし。
「うん、じゃあそうだね。タカ君には基本的な魔法を教えてあげよう」
「え?魔法って俺でも使えるの?」
「基本的には誰でも使えるよ。例外で魔力が無い人もいるけど」
ほ~、つまり魔力があれば誰でも使えるのか。
「まずは、タカ君の魔法適性を見てみようか」
「魔法適性?何それ?」
「う~んとね、簡単に言えば、なんの魔法系統が得意かってことだね」
「属性があるのか」
「基本的な構成要素だから、他にもっと得意な系統があることもあるけどね」
基本的なのはマドカの『炎』とか『水』とかだろう。
「え~と、凄い!タカ君、凄すぎるよ!」
何がどうした?
「と、とりあえず、何が凄いんだ?」
「タカ君は、基本的な魔法の構成要素をほぼ完全に扱えるみたいだよ!」
「凄いってことは、基本の構成で使えないのがあるのが普通なのか?」
「使えないってよりは、苦手ってことかな。割合でいうと、二十パーセントくらいが限界っていわれてる。人にも得て不得手があるからね。苦手なのがあるのは仕方ないよ」
「俺はどのくらいの割合で使えるんだ?」
「基本系統は大体八十~九十パーセントくらいで使いこなせるね。」
おお、それは凄い。
「あ、でも魔力の量によるんだけどね。」
「魔力の量?」
「絶対量ってわけじゃないけど、人によって蓄えられる魔力の量が違うんだ」
「へ~」
だからレベルが上がるとMPって増えるんだね。強くなってるんだね。
「タカ君、・・・君は、どこまで笑いを取るのに必死なの?」
え、確かにシリアスは耐えられないからブレイクしちゃう俺だけど、笑いを取るのに必死にはなってないよ?
「タカ君の魔力の貯蔵量、手から火を出すのが限界」
いや、どのくらいだよ!メチャクチャ少ないのはわかるけども!
「少ないのか?」
「うん、もの凄く」
うん、わかってた。そんなに現実は甘くないって。だから、泣いて無いもん。目から何かの液が出てるだけだもん。
「ま、まぁ、これから少しずつ増やしていこう」
「そんな簡単に増えるものなのか?」
「少しずつ魔力の限界量を増やしていけば大丈夫だよ」
筋力トレーニングみたい。
「宝の持ち腐れってこういうのを言うんだね」
「なんとでも言ってくれ」
◆
ゴブリンの襲撃からたぶん二時間くらいして村の一人が様子を見に戻ってきた。
そんでもって村の人たちは大歓喜。
なんでも村の英雄に感謝するなんて言って、俺達を宴に招待してくれた。
そこにはさっき剣をくれたおじさんがいた。
「本当に倒しちまったのかい。あのゴブリンの群れを」
「剣、ありがとうございます。おかげで助かりました」
「おう、それはやるって、さすがにボロボロになっちまったな」
「すみません」
「いやいや、俺の方が使ってくれって言ったんだ。助けになってよかったぜ」
そう言っておじさんは笑った。
「これは明日直して、あんたにやるよ」
「いいんですか?」
「必要だろう?」
確かにこれから先丸腰もきついので貰っておく。
「ありがたくいただきます」
「おう。あんたには皆感謝してる。今日はもう遅い。泊まっていきな」
願ってもないチャンスだ。
「いいんですか?」
「ああ、村長に頼んでおこう」
「なにからなにまで、感謝します。」
宴は一時間ほど続き、明日は村の修復作業や、埋葬の準備をするそうだ。
村長の家に案内してもらうと、そこには美少女がいた。
いや、マドカとおんなじくらいの美少女。
「私が村長のケイナです」
「えっ!村長さんなの?」
「はい、一応」
この村の選挙権はどうなってるんだ。いや、家柄で決まっちゃうのかな?
十五歳だなんて。
でも、
「やっぱり辛いな。守れなかったと思うと」
ケイナがフォローしてくれる。
「いいえ、あなた方が来てくれなかったら、もっと被害は大きかったでしょう。感謝してます」
「でも」
「戦いに犠牲はつきものだと言うでしょう。仕方ない、と割り切るのはいけませんが、そこまで重く捉えても、辛くなっていつか潰れてしまいますよ」
お、大人びている。
「今回が初めての襲撃ではありませんから。今回がおそらく山場だったのでしょう」
「そうだったんですか?」
「ええ、いつもは村の皆と頑張って撃退してました。さすがに無犠牲とはいきませんでしたが」
「最近多いんですか?襲撃は」
「ええ、ここ最近は特に」
「どうしてだろうな」
「たぶん、アウグスティヌスの侵略が始まっているんだと思います」
「「アウグスティヌス?」」
「最近大国の名前を変えたみたいで、『神の国』を名乗っているみたいですよ」
「・・・痛い人が仕切ってるんだろうな」
「やっぱりタカ君もそう思う?」
「二人もそう思いましたか」
「うん」「ええ」
物凄く重症なんだろう。そっとしといてやろうぜ。
「タカさんと、マドカさんは今日はここで休んでいってください」
「いいんですか?」
「ええ、数少ないほぼ無傷に近い状態の建物ですから、狭いですがお許しください」
十五歳とは思えない礼儀正しさ。
「いや、建物があるだけで助かるよ」
「そうですよ、野宿を覚悟したくらいでしたから」
「そうなんですか?」
「ほんと、神様ももうちょっと考えてほしいよな」
「まったくだね」
「え?ええ?」
ん?ケイナが不思議そうな顔をしている。何かおかしなこと言ったかな?
「あの、二人はどこから来たんですか?」
「「異世界ですがなにか?」」
「・・・。」
「お~い、どうしたのケイナ?お~い?」
焦点が定まってない。いわゆる放心状態。
「い、異世界?」
何か呟き始めたぞ?大丈夫か?
「えっと、もう大丈夫です。この部屋をでて右に行くと仮眠室があるので、そこで休んでください」
「ああ、ありがとう」
「私たちはもう休ませてもらいますね」
「はい、お休みなさい」
今日は疲れたな。ゆっくり休もう。
部屋を出るときにケイナが「そういう人たちなんですね」という呟きが聞こえたような気がしないでもなかったが、疲れていた俺は、考えるのをやめた。
◆
「なんでベットが一つしかないんだよ!」
言われた通り休憩室に来た俺達を待っていたのは、これまたありきたりなオチだった。
「仕方ない。俺は床で寝るか」
ここはセオリー通り床で寝るを選択する。
「あっ、そう?」
「え~!?あれ?「仕方ないから二人で寝よう」って発想には至らなかったの!?」
「ウソウソ。大丈夫だよ。ベットはつめれば二人くらい普通に入れそうだし。」
うぅ。一回拒否られた感じがして、気持ちよく眠れなさそう。
うん、ベットで寝る許可は得たし、何の問題は無いんだけど・・・。
「寝れませんよね~」
うん、理性がギリギリ。だって今俺、抱き枕にされてるんですよ?
「ふにゅ~」
なんだこの生き物!可愛すぎるだろ!
ちょっと待って、写真に撮りたい。でも、動けない!しかもカメラ持って無い!
仕方ない、この目に焼き付けておこう。皆もしっかり焼き付けておけよ。たぶんもう見れないと思うから。・・・誰だよ皆って。この寝顔は誰にも渡さんぞ!
よし、これからマドカは俺の天使として永久に見守っていこう。そうだ、誰の手にも渡らないように俺が結婚しちゃおっかな。そうだな、よし、そうしよう。明日起きたら式の準備をしよう。
きっと皆祝福してくれるはずだ。
・・・ツッコミがないと暴走が止まらねぇ。本当に理性が吹っ飛んじゃうよ?皆大丈夫?
ここから先はR-18の世界になりますよ?誰も止めないなら本当にやっちゃうよ?
もう一回確認するよ?皆大丈夫?ここから先は一方通行だぜぇ~!
メキィ
え?何の音?なんか俺の体の方から聞こえてくるんだけど?
メキ、メキィ
待って待って、ヤバいヤバい。これはさすがに折れちゃうよ!
お、俺の肋骨がぁ・・・。た、助け・・・て・・・。
結論・・・起きたら朝になっていて肋骨が三本もってかれてた(笑)
はい、初めての方は初めまして。そうでない方もこんにちは。
新シリーズ。今回は五十話目指して書いていこうと思います。
タ「いけんのか?」
作「いやいや、頑張るんだよ」
マ「無理な気がする」
作「いや、何年かかっても達成したい目標なんだ」
タ「月一本のペースだもんな。そら少なくとも三年はかかるわ」
作「・・・がんばるよ」
タ「まったく、こっちは肋骨治ってないのに収録だなんて」
作「お前、次回までに肋骨治らないぞ?」
タ「え?マジで?」
作「嘘だよ。逆に治ってもらわないと俺が困るし、肉体強化してるんだからすぐ治るだろ」
タ「そうなの?」
作「あれ、聞いてないの?」
タ「ああ」
作「後で神は罰ゲームだな」
タ「神に罰ゲームとかどんだけだよ」
作「俺がこの世界の神だ!」
タ「お、おお」
作「引くなよ!」
マ「次回予告!・・・は次回を書いてないので無いです」
作「未来は未定ってな!」
タ「まったくうまくないけどな」
作「皆の一言が、俺をやる気にさせる!」
マ「コメント、評価お願いしまーす」
作「次回も乞うご期待!」