2 ヘタレが!
コメントがあると励みになりますね。
ありがとうございます!
前話「…」は直しました。
でも冒頭は意図的にそうしてあるので、あのままでいきます。
彼との結婚を夢みて、決意したわたし。
とにかく、今は目の前の彼に集中しなければならない。
わたしが彼の告白から悩み、決意するまでそれほど時間は経っていないとおもう。
彼とわたしとの間にあるテーブルにはまだアツアツのラーメンが汁気たっぷりで食べられるのを待っているのだから。
「ねえ、ラーメン食べませんか?」
ヘタレと言うなかれ。
この場面においてベストだとおもう第一声はこれしかあるまい。
「う、うん。そうだね。ラーメン伸びたら美味しくないよね。」
彼は顔を上げ、はにかみながら箸を取った。
ほら見ろ、正解だ!問題を先送りにし、ラーメンに集中することに。
ラーメンをすする音とテレビの音だけが部屋の中を支配している。うん、美味い。
さて、あと数分したらラーメンを食べ終え、片付け、お茶を淹れて本題に入るだろう。
なんとかウヤムヤに出来ないか、とおもいつつも、これがチャンスだということもわかっている。彼は秘密を打ち明けてくれたのだ。たとえそれが厨二を卒業できていないことだとしても。
ここで理解ある恋人というポジションに落ち着けばわたしの将来は安泰なのではないか?
結婚を約束したといっても「出来たらいいね」レベルなのだ。これを「来年には結婚しよう」というレベルにもっていくにはもってこいの状況だろう。
よし、かかってくるがよい。