19 今なんて?
「父さま、ただいま参りました。ご用件は何でしょうか?」
トウサマのところに行くと、やはりというか、カアサマも同席していた。
カアサマの方が頼りになるからいいんだけどね。
「聞いているとはおもうが、ティアキ姫のことについてだ。どうするつもりだ?」
どうするつもりってどういうことよ?まさか、わたしに丸投げするわけじゃないでしょうね?
中身こんなんだけど、10歳だよ?わかってる?
というのをマイルド〜に言ってみた。
「陛下、レイトはしっかりしていますが、本人が言うようにまだ成人もしておりません。
例えどうこうおもっていたとしても出来るものではないでしょう。」
だよね〜。
おんなじこと言ってるんだけど、わたしが言うと腑に落ちない顔してたくせに、カアサマが言ったとたん納得してくれやがって!
「それもそうだな。
だが、レイトの意思はどうだ?それによって対応も考えんとならん。」
「わたしはティアキ姫と婚約するつもりはありません。
彼女にはカスタード兄上が相応しいとおもっております。いずれ我が国の王妃として兄上を支えてくださるかと。」
「なるほど。お前はそれでいいのだな?」
「はい。」
「ティアキ姫は文武両道の才色兼備と、素晴らしい女性だが、彼女の想いには応えてやらんのだな?」
「はい。」
「逃がした魚は大きいぞ?」
「わかっております。」
「本当にいいのだな?」
「はい。」
「わかった。では、わたしたちはティアキ姫の目がカスタードにいくよう力を貸そう。これでいいな?」
「はい。ありがとうございます。」
「では、来月から学園に通いなさい。」
「はい。……え?」
何て言った?学園?




