序章Ⅴ~捕縛~
<一ノ瀬>
ハァハァハァ・・・。
クソッ!!畜生!!ヨラの野郎ぉぉ!!
次にあったら必ず殺してやる。
昔はここでよく礼拝などで使われたであろう教会だ。
祭壇や椅子の木はもう腐ってしまっていて、使い物にならない。もし、座ってしまったら崩れだしそうだ。屋根も半分崩れてしまっていてここで雨風はしのぐ事もできなさそうだ。
長い間人は出入りしていないのだろう、たくさんのくもの巣がある。
先の紛争によって人はいなくなったため廃墟となってしまった。裏には紛争でなくなったであろう無数の墓が・・・。
<一ノ瀬>「こちらマンナズ3LZの到着した。」
<オシラ4>《了解した。ETA2ミニッツ。》
<一ノ瀬>
まだ時間があるな・・・
一ノ瀬は教会の屋根の上に上がろうとする。教会の屋根の上に上がり、EBR-SCSBのスコープで、近衛の様子を見ようとするが、足元の屋根の一部が少し崩れ大きな音を立てる。
<一ノ瀬>
おぉ・・・あぶねぇ・・・もっと端に寄るか。
スコープの視界に入った。血にまみれた近衛がこっちを見ている。やつは効き目をレーシックで遠視にしているから見えるのかもしれない。
<ヨラ>
おぉ、いたいた。
「おいあいつだ!!捕縛しろ!!」
<指揮官>「上からは殺せとの命令d」タァァァン・・・ドサ。」
<ヨラ>「おいおい、俺は捕縛しろって言ったんだよ~ちゃんと聞こえていたのかなぁ?んん?ママにちゃんと耳掃除してもらってるのかなぁ?・・・あれぇ?どうしたのかな?あっ!!俺が殺しちゃったのかぁ。ごめんなぁ~つい反射で撃っちゃったよぉ。まぁこれからは俺の言うこときけよぉ~あははは。」
<下士官>
こいつ笑いながら撃ちやがった・・・。しかも、あんな早撃ち、見えなかったぞ・・・。
<ヨラ>「おい、お前こいつを縛れ。」
<下士官>「はっ、はい!」
<ヨラ>「ん、良い返事だ。」
下士官は一ノ瀬にワイヤーを使って縛っていく。
他のやつらは教会へ向かっている。
<ヨラ>「おい、お前名前は?」
<近衛>「・・・・。」
<ヨラ>「最近のやつは耳が悪いのかなぁ?」
ヨラは近衛の傷口を泥まみれの足で踏みつける。
<近衛>「ぐああぁぁぁぁ!!ふぅ・・ふぅ・・ふぅ。」
<ヨラ>「ちゃんとお口はついてるみたいだね。」
<近衛>「ペッ!!」
ヨラの顔に唾を吐きかけた。
<ヨラ>「んん~♪、勇気はあるみたいだね。でも・・・使うタイミングが違うかなぁ?」
ヨラはおもむろにレッグホルスターからD&Dブレンテンを取り出した。そして、近衛の頭にブレンテンを突きつけた。徐々にトリガーに1オンス1オンス力を加えていく。
<ヨラ>「こんなんじゃ、つまんないよね。じゃ、こういうのは?」
一本の古びた刃渡り15cmほどのナイフを取り出した。グリップも磨り減ってきていて血糊と錆まみれのナイフだ。
<ヨラ>「ん~~ん~~~♪・・・・」
ヨラは鼻歌を歌いながらおもむろに、無造作に近衛の傷口に刃を突っ込み、そのまま刃を骨に沿わせ筋肉の繊維に沿って切っていこうとする。
<近衛>「・・・ッ!!!!!!!」
刃はあまり手入れされていないためか、普通のナイフではサックリと切れてしまうところがこのナイフではなかなか切れない、ナイフで切っているというよりも筋肉をナイフを使い繊維に沿って裂いている。傷口から血があふれ出してくる。
近衛は声にもならない悲鳴を上げこの世の物とは思えない痛みに耐える。
ヨラはそんな近衛の表情を見て、気に入ったのかますますペースを上げていく。
一ノ瀬にはこの光景がよく見えていた。
<一ノ瀬>
すまん、虹。ほんとにすまん。
<オシラ4>《こちらオシラ4LZに到着した。早くしろ。敵が向かってきている。》
<一ノ瀬>「了解した。今行く・・・。」
一ノ瀬は背を引かれる思いでブラックホークに乗り込む。
<ガンナー>「くそ!!敵がきやがった!!早く出せ!!」ブォォーと7.62mm×51の弾丸を6000発/分のGAU-2B/Aミニガン(通称・無痛ガン、痛みを感じる前に死ぬ。)を使って掃射を始める。
敵をはじめ、敵が隠れている壁ごとミンチにしていく。
敵の一人が突っ込んできた、その腕には手榴弾が握られていた。おそらくあの敵は、このヘリに突っ込んで手榴弾で自爆して落とそうとしたのだろう。そいつはガンナーの死角から来たためガンナーの反応が遅れてしまった。気づいたときにはすでに4mほどのところまで来ていた。
<ガンナー>「何!?」
ガンナーがそいつを撃つと同時に手榴弾が爆発した。爆発した破片がガンナーに襲い掛かり、ガンナーの足と肩に破片が食い込んだ。
<ガンナー>「あぁ!!くそッ!!被弾した。」
<オシラ4>「おい、マンナズ3そいつの手当てを頼む!ガンナーは副操縦者に任せる!!」
<一ノ瀬>「わかった。」
一ノ瀬は被弾したガンナーを引きずりヘリの中の方まで連れて行き、応急手当をする。
防弾衣服を着ていたためそこまでひどい怪我ではないが鎖骨が折れて体内に破片が残ってしまっている。
副操縦主がきて、血がついたミニガンにつき掃射を開始した。
ヘリは十分な高度をとり、帰還しようとしたが、一ノ瀬は近衛のことをあきらめきれない。
<一ノ瀬>「おい!!マンナズ4の救出は可能か!?」
<ヨハンナ>「ネガティブ!!さっき連絡があった!!政府がこの騒ぎを感知した!!すぐに対応部隊がくる!!すぐにここから離脱する!!」
<一ノ瀬>「チッ!!了解した!!」
<ヨラ>「あれ~お友達に見捨てられちゃったかなぁ~?まぁいい・・・殺すか。」
<近衛>
マジか・・・じゃあな相棒・・・。短い付き合いだったな。
あぁ、そうそう、あの時お前から借りて返したアニメのDVD、間違ってAVを上書きしちゃたんだよ。すまん!!
タァァァァァァン・・・。
一発の銃声が轟いた。
駄文お付き合いありがとうございます。
なんか最近こんなんでいいのか不安になってきた。