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『【トラウマ確定】地図にない村で地蔵を壊した僕たちは、スマホ越しにしか見えない「それ」に順番に食われていく』  作者: ゆっきー


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第1回「プロローグ」

 前書き


 ※この物語には、一部過激な表現や精神的なトラウマを植え付ける描写が含まれます。

 読後、ご自身のスマートフォンに「身に覚えのない通知」が届いても、当方は一切の責任を負いません。

 ……今、あなたの背後のドア、ちゃんと閉まってますか?


【警告】

 今、この文章を読んでいるあなたの画面。

 背後に、身に覚えのない「認識枠」は出ていませんか?


【トラウマ確定】地図にない村で地蔵を壊した僕たちは、スマホ越しにしか見えない「それ」に順番に食われていく


 *


 *


 *


 *


 *


 *


 ――「読むな」と言ったはずです。

 この物語は、承認欲求という名の病に冒された僕たちが、決して踏み込んではいけない『境界線』を越えてしまった記録です。


 現代において、スマートフォンは体の一部であり、魂の代弁者でもあります。

 しかし、もしそのレンズが、**あなたの肉眼には映らない「最悪」**を捉え始めたとしたら?

 もし、その通知音が、**この世ならざる者からの「ログイン通知」**だとしたら?


 本編には、一部過激な精神的トラウマ描写、及び理不尽な身体欠損描写が含まれます。

 読み進める方は、以下の「規約」に同意したものとみなします。


 1、読後、ご自身のスマートフォンに「顔認識のバグ」が発生しても、当方は一切関知しません。


 2、背後に「誰か」がいる気配がしても、決してカメラを向けてはいけません。


 3、この物語を最後まで読み終えるまで、あなたは「ログアウト」できません。


 ……準備はいいですか?

 画面の明るさを少し落とし、背後のドアを施錠してから、ページをめくってください。


 ………それでは、最悪の夜へ、ようこそ。



 この先から本編が始まります。ご注意ください。



「ねえ、これ見てよ! 超ヤバくない!?」


 五月晴れの昼休み。

 平和そのものの教室に、美波みなみの甲高い声が響いた。


 一ノ瀬美波。

 クラスでも目立つグループにいる、自称『ホラー大好き女子』。

 だがその実態は、単にSNSの「いいね!」のためなら、心霊スポットの不法侵入だって厭わない、承認欲求の塊だ。


 彼女が僕――佐伯勇人さえきはやとの目の前に突き出してきたスマホの画面には、Xtterエキスターの投稿が表示されていた。


『#■■■村 #地図にない村 #行ったら最後』


 真っ黒なノイズ混じりの写真。

 そこには、首の欠けた石地蔵が、霧の向こう側にぼんやりと立ち並んでいる。


「これさ、最近バズってる『ログアウトできない村』の入り口なんだって! ここで自撮りしてアップしたら、一晩で一万いいね確実だよ。勇人、今週末空いてるでしょ? 真壁まかべ先輩も車出してくれるって言ってるし、行こうよぉ!」


 美波が僕の腕に縋り付いてくる。

 香水の甘い匂い。

 クラスの男子が羨むような状況のはずなのに、僕の背中には、冷房のせいではない「冷たい指先」が這い上がってくるような感覚があった。


「……美波、こういうのはやめとけよ。地図にないってことは、何か理由があるんだから」


 僕が慎重に答えると、美波は露骨に頬を膨らませた。


「出た、勇人のビビり癖! 先輩も言ってたよ、最近の若い奴は慎重すぎてつまんねーって。いいじゃん、ちょっと行って動画撮るだけだって。ね?」


 美波は笑っている。

 だが、彼女の持っているスマホの画面が、一瞬、妙な動きをした。


 カメラアプリも起動していないはずのホーム画面。

 そこに、自撮り用の**『顔認識の枠』**が、勝手に浮かび上がったのだ。


 四角い枠は、美波の顔を捉えていない。

 それは、美波のすぐ後ろ――僕から見れば、誰もいないはずの黒板の前で、激しく点滅している。


 ピピピッ、ピピピピピピッ。


 まるで、そこに「何か」がいて、激しく動き回っているかのように。


「……美波、スマホ変じゃないか?」

「え? 何がぁ? あ、電池? 大丈夫、モバイルバッテリー三つ持っていくからさ!」


 美波は僕の懸念を鼻で笑い、次の瞬間、教室の入り口から入ってきた真壁先輩の方へと駆け寄っていった。


「真壁さーん! 勇人も行くって言ってくれましたよ!」


 勝手に決められた約束。

 遠くで笑う真壁先輩の顔が、僕にはなぜか、のっぺりとした石の塊のように見えた。


 ポケットの中で、僕のスマホが震える。

 通知ではない。

 ただ、心臓の鼓動のように、ドクン、ドクンと、不気味に熱を帯びて。


 それが僕たちの、そして「読んでいるあなた」の日常が、音もなく腐り始めた瞬間だった。

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