4/4
一夜。-04
遠ざかって行く背中に大きな声で「待って」と叫んだ。
振り返り、目を丸くし驚く君は、また静かに涙を流していた。
その涙が夜と同じか分からない。
それを含めて、ずっと、ずっと聞きたい事があったんだ。
君を知りたいと思ったんだ。
偶然を待つのは、もう嫌だ。
込上がってくる感情に喉が熱くなり、自然と握る拳に力が入る。
「君が、」
吐き出した言葉は今まで曖昧にしていた感情で、その言葉に君は嬉しそうに涙を流して笑った。
聞きたい事が沢山あった。
知りたい事が沢山あった。
でも、それはここから始めれば。
2人の何かがやっと重なり、まずはお互いの名前を知る所から夜は明け始めた。




