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一夜。-03
あの出会いに後悔はない。
ずっと僕は君に出会いたかった気がする。
君に触れたかった気がするんだ。
好きな食べ物はなに?
好きな音樂はなに?
好きな場所は?
君の、名前は?
朝方5時。
いつもの時間に起きて、建物を出た。
あの日、東京という沢山の人がいるこの街で君に出会えたのは運命だったんだ。
そして今日まで偶然にも会えたのは、必然だったんだ。
もう、それだけで。
聞きたい事が沢山ある。
知りたい事が沢山ある。
でも、もう。
「それじゃあ、また」
彼女は微笑んで軽くお辞儀をする。
終わらせなくちゃ、そう決めたのに意思の弱い僕はいつもの様に「また」と言葉を紡ぐ。
君は何か言いたそうにな顔をして、背を向けた。
僕も背を向け歩き出した所でふと、いつも帰り際に同じ顔をしていたなと気づく。
もしかして、ねぇ、君も。




