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主人公紹介・・・かな?
福井カイトは親を三年前に交通事故で亡くした。
行き所のなかったカイトは、町の中で一番大きな寺の和尚であり、カイトの祖父である福井翔尾に引き取られることになった。
鴉魔御殿の和尚である翔尾は、年の割には体格ががっしりしていて、祖父と言うよりも伯父と呼ぶべきだと言い張っている。
「これが六百年前にとある僧によって封印されたと言われる、妖怪八咫烏が眠るといわれる祠じゃ。触るんじゃないぞ」
翔尾は箒の柄の部分でカイトの頭をペシペシと叩きながら言った。
「言われなくても、こんなに気味の悪いオンボロ祠に興味はないよ。それに、ただの迷信だろ?」
カイトは信じない方が得だと言い残すと、さっさと学校に足を進めた。
「怖がりの癖に見栄を張りおって・・・・・・ま、そのうちその考えも変わるだろう」
ちらりと横目で古ぼけた祠を見ると、祠の扉がかすかに揺れた。
めちゃくちゃ短いです・・・
カイトは、妖怪の類が大の苦手です。自分でも何故そんなに苦手なのかが分かっていませんが、祠の話が始まると、冷静を保ち、とりあえず逃げます。