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恐怖都市チャンネル 第32回『天使ちゃんの呪い』①

ナレーション:あなたは『天使ちゃん』を知っているだろうか。●●区●●地域のみ流行っている都市伝説『天使ちゃん』。それはいわゆる『こっくりさん』と同じ小学生たちの間で行われる恋のおまじない。『こっくりさん』同様、細かいルールはあり、『天使ちゃん』に恋愛相談をするだけの遊びだが、近年、この『天使ちゃん』を行ったことがある女性が謎の死を遂げた。


タイトルテロップ:恐怖都市チャンネル 第32回『天使ちゃんの呪い』


情報提供者アユミ(仮名):これは、私の友人が体験した話です。トモコ(仮名)は私と小学生の頃から仲が良く、社会人になってからもたびたび会っていました。そんな彼女がある日、奇妙なことを言い始めたのです。


 某所、カフェ内で二人の女性が向かい合う。


トモコ「最近、変な声が聞こえるの」

アユミ「変な声?」

トモコ「うん。ふとした瞬間に、後ろから呼ばれるんだよね。トモコちゃんって、女の子の声で」

アユミ「空耳じゃないの?」

トモコ「ううん、そんなことない。テレビを切った後とか、帰り道とか、急にはっきりと聞こえるんだよ」テーブルをバンと叩くトモコ(演者)のアップ。


アユミ:そう言うトモコの表情は本気で、趣味の悪い冗談じゃないことは明白でした。


トモコ「ねぇ、『天使ちゃん』って覚えてる?」

アユミ「『天使ちゃん』って……小学生の時にやったあのおまじない?」

トモコ「そう。あの時、私、『天使ちゃん』の声が聞こえたの」


アユミ:私とトモコ、他にもいた友人で『天使ちゃん』をしたことはありました。


 小学校の教室で数人の女児が輪になっておまじないをする映像が入る。

 映像が元に戻り、再び女性二人の画になる。


アユミ「『天使ちゃん』って、あの時、真ん中にいた子?」

トモコ「違う。その子じゃなくて、その子に憑依した『天使ちゃん』だよ」


アユミ:この時点で、私はトモコが正気じゃないと思っていました。でも、とりあえず彼女の話を聞きます。


トモコ「私、あの時に『幸せにしてください』ってお願いしたの。アユミもしたよね。でね、最近私、彼氏にプロポーズされて……多分、とても幸せだったの。それからよ。後ろから呼ばれるようになった。それだけじゃない。金縛りとかもたびたび起きるのよ」


 映像がトモコだけになる。夜道、線路沿いの道を歩くトモコは周囲を気にしている。


トモコ「アユミは気のせいだろうって言うけど……絶対そんなことない」

女児 「トモコちゃん」


 振り返るトモコ。誰もいない。


トモコ「やっぱり『天使ちゃん』だ」


 恐怖の表情を浮かべるトモコ。走り出す。


トモコ「やだ……! どうして私が……!」

女児 「トモコちゃん」

女児 「トモコちゃん」

女児 「トモコちゃん」

女児 「トモコちゃん」


 声は何度も何度もトモコを呼ぶ。

 トモコは転倒し、声から逃げようとした。

 (BGMが不意に止まる)


女児 「幸せになった?」


 トモコ、大きな悲鳴を上げる。


アユミ:その後、トモコは会社を休み、家に引きこもるようになりました。


 彼氏からのメッセージ画面アップ。【何かあったの? 大丈夫?】

 しかし、それを見ずに薄ら笑う顔色の悪いトモコ。


トモコ「私は『天使ちゃん』に呪われたんだ……あの時、あんな約束しなければ……!」





 恐怖都市チャンネル 第32回『天使ちゃんの呪い』②へ続く。

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