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自分だけ揚げ物が楽しめる世界  作者: ミツメ


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明日も投稿します。


全く関係ありませんが、年末と言うことで、本日のホープフル 

3連複 

3-13.15-1.2.8.10.11.12.13.14.15.16


馬連3-13

と予想しました。

関係ない話ですいません。

〈シェルター630〉

 かつて新潟県だったこの場所にレオと冬弥はいた。こっちに来たばかりの時は、支給品の無地のTシャツ一枚で過ごせていたが、ここ最近は日の出ている時間だけロンTでどうにかという気温になってきていた。

 羽間から課された内容はシェルター600代前半のシェルターを10個潰す事。『マーク』からの支援は最低限で、それこそ人員はレオと冬弥の二人だけだった。

 それだけでなく、旧北陸地方にもあるらしいマークの支部からバレないように動く事も命じられている。


 足りないものはすべて現地調達で、良さそうな人員をスカウトするのも、物資類の準備するのも二人に任せきりになっていた。羽間は二人に期待しているからと笑っていたが、あの含み笑いは失敗しても損が少ないという下衆なものだった。


 とはいえ、レオも冬弥も圧倒的な実力者。冷静で判断力の高いレオと、勘が鋭く戦闘力の高い冬弥。見張り役のような邪魔が無しで自由に動ける方がずっと上手くいくに決まっていた。


 気温が変化し、服装が移ろう間二人が何もしていないはずなかった。当初、羽間に言われた内部分裂を引き起こし、壊滅に誘えという話に戸惑い、一歩を踏み込めずにいたが二人の顔が頭に浮かび、心を殺して踏み抜いた。そこからはとんとん拍子に動き出し、今日でちょうど10個目のシェルターが壊滅に進むところまで来ていた。


 最後に残した中規模シェルター。これまで壊滅させたシェルターからの難民のほとんどが流れ込んでいる事もあって、規模感的には初めてで、壊滅は誘う時間も倍以上かかっていた。

 エリアボスの誘導と、シェルター間の対立を煽るというやり方を続けていた二人の作戦は、シェルター630に効くどころか、真実に気づいたもの達の声によって常に警戒心を与える結果になってしまった。

 二人の顔を当然割れている。この作戦が終わった後、二人はきっとこの北陸地方に足を踏み入れることは出来ないだろう。それくらいこの辺りの人々からは強い反感を買うことになっている。


 誰かに恨まれ憎しみを持たれるのは案外どうにかなる。そう錯覚させて立ち続けている二人。顔の知らない一万人よりも大事な二人を取り戻す。それだけが心の支えだった。

 これでやっと少し楽になれる。どっちがその言葉を口に出したのか。この際どっちでも良かった。

 二人はシェルター630を一望できる高台からポイントを狙って魔法を放つ。正確に打ち出された魔法は強固な仕切りを破壊して、一辺の景色を開けさせた。

 仕切りの中には暴力的に集めたモンスターの大群。この仕切りが別地点に四つ、同じように正確な魔法照射で破壊する。

 血に飢え、人を憎悪するモンスター達は目に殺意のみを浮かべて澄ます。

 どこだ、この爪、この牙、この衝動、で抉って傷つけられるニクの場所は。


 続いて冬夜はシェルターに魔法を打ち付ける。半透明な外壁はそれを簡単に跳ね除ける。普段ならばなんでもない出来事。半透明が薄く光り、外敵からの脅威を反射して打ち消す。小さく反響したその音が掠奪者の耳に触れた。


――――――――――――――――――――――――――――――


 天谷の算段では協力者になるはずのシェルター1501が単独ではシェルター1588を落とせない前提で動いていた。

 だからこそ、綜馬のクラゲを使って余計な敵戦力を元の場所に返していた。

 まだ謎の多い綜馬の力。それは綜馬の力を色濃く継いでいるモンスター達にも同じことが言え、綜馬から貸し出されたクラゲが飼い主に芸を見せるみたいに技をいくつも見せてきた。

 褒めて欲しそうなクラゲに思わず愛おしさを覚えてしまった天谷は周囲を確認したのち、頭を撫でた。


 果たして綜馬が知っているのかわからないが、このクラゲは【空間魔法】が使える。それも綜馬のように空間を生み出したりする力よりも、移動のような空間の切り取りを得意としているようだった。

 その事が判明した後は簡単だった。生物を飛ばせないという制約を、天谷の【結界魔法】を使い一時無生物化し、その物体がここに来るまで利用した距離を逆算して送り出す。

 座標は天谷が指定し、力技で人を減らしいく。それだけでなく物資もクラゲが空間の入り口を作り、そこに流し込んでいく。

 この暗躍が効いたのか、それとも自分たちが何をしなくてもこうなったのかわからないが、次の行動に打って出ようとしたその日の朝にシェルター1588だけでなく、別勢力も合わせて制圧されていた。一晩も経っていないはずだ。彼らは昨晩は小競り合いをしていた。


 綜馬が嘉山というシェルター1501の統率者を気にしていたのはこの手腕の所為か。納得せざるを得ない結果。

 この結果は自分たちにも上手く作用する。今頃エリアボスを討伐しに行った三人が帰ってきた時、目的はグッと近づくの間違いなかった。


――――――――――――――――――――――――――――――


 シェルター1588の統御はその日のうちに完了した。嘉山と飯垣が事前に用意していたプランによって、劇的な速さで進んだ統御への流れは勢いそのままに次の目標へ進む。

 大きな反発もなく一丸となったシェルター1588とシェルター1501。

 彼らは一つの敵を掲げたことで、渡りやすく力を貸し合う関係を構築できた。


 嘉山は戦いを長引かせるつもりは毛頭なかった。決められるのであれば一度で。そのためにシェルター1588を抑えた一戦は単なる前哨戦に過ぎなかった。

 ギリギリ残っていた二つの通信魔道具を利用し、本丸の西城に通信を飛ばす。

「シェルター1588に勝利、物資搬入されたし。」

 上石ら、シェルター1588の中心人物を先にシェルター1501へ送り、隊長たちはシェルター1588の中で戦闘員を集める。


 二日後、送られてきた物資を受け取り、補給隊を捕縛。補給隊から連絡を待っていた西城指揮下の二つのシェルターは、帰還した補給隊を装った隊員達により制圧された。


 シェルター1501は動き出して一週間経つ頃には西城が支配していた二十以上のシェルターの内八つを制圧し、付近シェルターも三つ制圧した。圧倒的な速度で行われた一連の作戦は、西城との直接対決へ向けたものだった。

読んでいただきありがとうございます。


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