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海夏  作者: あ行
3/11

3水

「おい。お前本当に俺の話聞いてんのかぁ?俺はお前の事を思って……。」

 雑音。

 (早く説教終らへんかな。)

「お前、他所から来たんだろ?あそこは都会だから、さぞかしこんな田舎は合わないか。」

 一瞬、反応してしまう。下を向いていた眼が、どこか遠くを見つめる。

「ぁ……。夏だ。」

「お前……!」

 (やべ……!)

――――――――――――

「夏までごめんなぁ。」

「いいよ。どうせ暇だし。」

 炎天下。話を聞いていない罰でプール掃除をさせられる。

「先生も、先生やで。こんなひっろいプールを子供一人に任せるかぁ?」

 ブラシに顎を乗せて言う。

「そうだよね。ここの学校狂ってる。」

「だよなぁ……!」

 海の方をなんとなく見る。黒のゴムで髪を結んでいた。

「だからか。」

「ん。何?」

 自然と口に出してしまった

「なんかいつもと違うなって。」

「あー、そ。くくってみた。」

 ニッと笑う海。暑さを忘れてしまう程綺麗だった。

「ぶわ!」

 いきなり透明な水をかけられる。海はホースを持ってニマニマしてる。

「何すんだ、よ!」

 海に勢いよくとびかかる。

「いって!」

 当たった衝撃でホースが、無重力かのように宙を舞う。

 二人に水がかかる。

 お互いに見つめ合う。

「あはは!」

「ぶはは!」

 シャツとズボンが大胆に濡れた。

「ちょっと、ずぶ濡れじゃん!」

「だはは!おもしろ!」

 入道雲と青い空、太陽に反射する水が綺麗だった。

―――――――

「あ〜。涼し〜。」

 黄昏時。自転車の二人乗りで下校した。海の透き通る様な髪が流れる。

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