1話 両親のおかげでこうなっただけ
それは初夏のある日、住宅街の中で一際大きい家から送るお話
「あ、、、、恋花、今日から父さんと母さん、アメリカの本社に行くから、5、6ヶ月ぐらいは1人で頑張れよ!」
「、、、、、、、、は?、、、、スゥ またか!!!!!!!」
「恋花ちゃん、怒ってる?」
「別に、今更怒るなんて事はしない。た・だ・ね!行くなら行くって当日じゃなくて、前日、それ以前に伝えるべきでしょ!!」
「1ヶ月前にやっと帰ってきたと思えば、また、どっか行くとかね〜!?」
「ママもパパも良い加減にしたら?私は別に良いけど、これ以上お兄にストレス与えるのは辞めな?パパ達良い加減に学びなよ。馬鹿なの?」
大声で怒っているのはこの家のある意味大黒柱の俺こと姫野恋花、13歳。
そして、怒られているのはいつも突然言う事で有名な父こと、姫野良司45歳といつもほのぼの天然な母こと、姫野日和43歳とマイペースで天然で毒舌で双子の妹で姫野家のお姫様で末っ子こと、姫野愛花。
「それは、恋花と愛花の言う通りだね。おじさんとおばさんはいつも突然なんだよ笑」
「俺は、愛花の毒舌も良い加減にしたら良いと思うけどね笑」
「そーゆうとこ、私は好きだけどね〜笑」
「3人共笑い事じゃないよ!私も突然言われたらビックリするから分かるよ!」
上から生まれた時からの付き合いで爽やかイケメンと有名な天然王子な王澤鈴音、元気だけど頼りになって意外と冷静沈着なところがある伊村灯、いつも元気でのほほんとしてるお馬鹿っ子の大村夏樹、いつも笑顔で争い事が嫌いで優しい僕の従姉の姫野佑月の3人は俺の幼馴染である。朝食や夕食を良く一緒に食べる事が多く、殆どが一緒にいる事が多いんだよね。
「本当、佑月と愛花以外信じらんないわ。てか、今回長くない?」
「そうなんだよ〜、本社で事故起こったみたいだし、アメリカ支社を作ろうと思ってたしね!」
「今回は長くなるから、私も同行する事になったわけよ!」
「だろうね」
「まぁ、恋花と愛花の主婦力だったら、6ヶ月ぐらい2人暮らし出来るでしょ?」
「出来なくはないよ、母さんみたいに不器用じゃないし」
「私も別にお兄と一緒で暮らす事は多いからね。全然大丈夫」
俺と愛花の2人は幼少期から両親は出張や仕事の都合で海外は県外に行く事が多かったり、歳の離れた兄や姉達は既に自立をしていた事もあり、昔から家事全般をこなしてきた。
そのおかげか、家事スキルと主婦力だけは高くなっていく一方なのだ。
俺らは双子で一卵性双生児で誕生日が1日違いである。俺らは顔がそっくりなことと他に似ている事と言えば、、、、
「そう言えば、お兄、この前のゲームそれなりにレベル上がったし、今度対戦しよ!」
「良いよ。あれ、頑張ってレベル上げしてたもんな笑」
「あ、あのゲーム?それなら、俺もやりたーい!!」
「私も!、、、、だけど、2人共ゲームガチ勢のゲーマーだからなぁ(苦笑)」
「でも、それが2人の良いとこだと僕は思うけどね笑」
「時間があればゲームするもんね笑」
そう、ゲーマーである、ボードゲームやカードゲーム、テレビゲーム、ゲームになる物なら何でもやるのだ。その他の趣味だと小説を読んだら、書いたり、ドラマを見たり、演技を遊びでやったりするぐらいでそれがストレス解消の1つになったりするんだよね。
「って、そろそろ、学校行かないと、、、、母さん、父さん一応おにぎり作っといたから、食べたい時に食べなよ!」
「分かったわ!それで、何が入ってるの?」
「鮭とツナマヨ、梅干しが3つずつあるから!!」
「よし、分かった!鮭全部俺のな!」
「大人がないよ、パパ。もう少し大人になりなよ。それじゃあ、私達学校に行くからね。行ってきます」
「ちょっと待って!行ってきます!」
「えっ!ちょっと待って、俺らも行ってきまーす!」
「灯!待って行ってきます!!」
「夏ちゃん!早く来なよ。遅れるよ!行ってきます!」
「分かってるよ!鈴音も灯も待ってよ!、、、、佑月ありがとっ!では、行ってきまーす!!」
そして学校に急足で駆けて、汗が出るぐらい急いで頑張ってギリギリで着いた。因みに、俺ら6人は全員同じクラスだからね。
昔から、両親は自由奔放だけど、俺らの事はちゃんと大切にしてくれている事は分かるんだけどなぁ(ため息)
「家事全部を任されるのが嫌なの?」
「愛花〜、俺の心を読むなよ〜」
「読んでないよ。顔に書いてあるよ。それで?」
「イヤ、別に嫌って訳じゃないよ?ただ、その、、、、」
「まぁ、分かるよ〜。私もママの手料理なんてママが仕事休みの時か、時間がある時だけだもんね〜」
「恋花の気持ち俺も分かる!俺も両親共働きで家事をする事多いし!」
「僕も手伝いで良く作ったりするから頼られる事が多いかもね」
「私は不器用だからなぁ、、、、料理以外は出来ないけどね(ハハ渇いた笑)」
「夏ちゃんの裁縫、わ、私も好きだよ??」
「良いの、別に良いんだよ(泣)」
「俺ら何で似た悩みを持ってるんだろうね?」
「やっぱ、幼馴染だと似てくるのかな?まぁ、料理上手と苦労人なんて似てくるなんて、なんか、、、、ね?」
「愛花、言いたい事結構分かる、俺も大変だからね」
「パンッ!!はい!このお話終わり!違う話題出すな!そう言えば知ってる?、中等部3年の先輩にアイドルをしてる人が居るって!」
「あ、知ってる!確か、田崎詩織ちゃんだっけ!1年前から活動しているんだっけ?」
「灯ちゃんも夏ちゃんも詳しいね?」
「僕も少しだけど知ってるよ。今はコンサートとドラマの撮影が被ってて、今大変らしいよ」
「3人共詳しいね?俺、忙しいからあんま、テレビ見たりする事ないから」
「私もゲームとか小説で忙しいから最近見れてないな」
「ふ、2人共、ちゃんと休みな?てか、愛花の場合は見れるでしょ」
「私は私で忙しいの。見れたら見るって感じだし」
「マイペースだなぁ笑」
ガラッ
「はーい、授業始まるぞ〜!今日は午前授業だからって、怠けるなよ〜」
そう、今日は午前授業なので、早めに終わるのだ!なので、早めにご飯を作っておいて、ゲームか小説買いに行こうと思っているのだ。
キーンコーンカーンコーン
「よーし、気をつけて帰れよ〜。最近危ないからな〜」
「「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」」
「俺と鈴音、今日は用事あるから、先に帰るな!」
「母さん達に頼まれてる事があって、それじゃあ、また明日」
「じゃ、私達も帰りますか!」
「うん、家でゲームでもしようかな」
「何言ってるの?愛花ちゃん、貴女は夏ちゃんと私と一緒にお出かけするんだから、、、、ね?」
「、、、、え?マジで、、、、お兄?」
「マジらしいぞ。俺は助けないからな」
「お兄の鬼」
そうそう、帰っている間に余談だが、俺達幼馴染6人組にはある秘密がある。それは、、、、
「あともう少しで夏休みだし、プールとか海とか、夏祭り行くんだもんな〜、愛花は行くのかな笑」
「、、、、ぁ、猫ちゃんだ、か、可愛い〜」
『ニャァ、、、、ニャン!(笑顔)』
「グッ!可愛い〜、そんな顔で見られたら、トキメイちゃう!、、、、ぁ、ヤバ」
ピカッ ダボダボ
「うぅ、またやっちゃった。トキメイたら、女の子になるんだから良い加減学ばないと、、、、はぁ」
そう俺、イヤ、俺達の秘密、それは性転換症候群と言う体質を持っていと言う事である。
性転換症候群とは、ある出来事で肉体の性別が変わる。変化する方法はタイプが存在し、自身の意思で変えれたり、クシャミをしたら変わったり、様々なタイプが存在し、俺はトキメキを感じたら性別が逆転するのだ。
「良い加減、可愛い物を見たりしてトキメク事、どうにかしないとだな(ため息)」
そんな事を言いながら、家路についた。
「まっ!こんな事、慣れたんだし、別にいっか!、よし今日の夜ご飯はハンバーグにしますか、焼くのは帰ってからで良いよね?」
そして、調理をして、一通り準備をしたら、小説を書いに外に出て歩いて行っていたら。
「よし、今日は違う道で歩いてみようかなぁって、、、、何あれ?」
違う道を曲がったらすぐそばで女性が屈んでいた。そのまま通り過ぎる事は出来るけど、それは出来ないので、女性に声をかけたら、、、、
「ぁ、あの、大丈夫ですか?」
「えっ?」
「あ、イヤ、さっきから屈んで動かないから心配で」
「だ、大丈夫よ。ありがとうね、パッ、、ワッ(グラ)」
俺は女性は一気に立とうとして、バランスが取れなかったのかグラついて、倒れてしまって支えようと抱きついた。だけど俺が小さいせいで倒れてしまった。
「危ない!(抱)、、、、だ、大丈夫ですか?」
「、、、、「ぁ、あの?」!ご、ごめんなさい!、怪我はない?女の子に怪我させたら、謝るだけでは済まないし!」
「大丈夫ですよ。お、れ、、、、わ、私もちゃんと支えれなくてすいません」
忘れてた、俺今、女の子なんだった。男だってバレたら色々めんどくさいしなぁ。
「ぁ、あの?何でこんな所で屈んでいたんですか?」
「え?あぁ、その、私、最近仕事忙しいくて、ご飯は作れないからちゃんと食べれたり出来ないし、やっと一通り仕事は終わったのにね。それで疲労と空腹で動けなくて」
良く見れば、少し肌荒れてるし、少し細いし、ちゃんと栄養取らないといつか倒れてしまう。ここで、俺の主婦力と言うかオカンモードが発生したのだ。
「そうだったんですね。、、、、あの、良かったらご飯作りましょうか?」
「えっ?そんな悪いよ。料理が出来ないだけだし、コンビニ弁当買えば良いし」
「!!尚更、ダメです!ちゃんと栄養を取らないと貧血で倒れたり、熱を出したりしますよ!そしてら、仕事場で迷惑かけますよ?、それに私、家事得意なんですよ」
「そうよね。ごめんね。ちゃんと考えなかった。なら、よろしくお願いするね?」
「はい。ぁ、お名前なんですか?私は姫野恋花です。恋花と呼んでください。それと良ければ、友達になりません?」
「恋花ちゃんね。私は田崎詩織です。知ってるか分かんないけどアイドルです。詩織って呼んでね。ええ、お友達としてよろしくね笑」
、、、、、、、、?今何と、田崎詩織?、、、、『中等部3年の先輩にアイドルをしてる先輩が居るって!』『確か、田崎詩織ちゃんだっけ!』
ヤバくね?確かにもっと良く見れば、顔立ちは可愛いし綺麗だし美人と言うより、美少女で身長は160cmぐらいあると思うし、俺凄い人にご飯作りますよって言ってた?
何で考えていたら、詩織さんが1人暮らしをしている家に着いた。行く間に一通りの食材などを買っているよ。
「よし、入りますか!(入ろうとする)」
ガシッ
「ん?詩織さんどうしました?」
「イヤ、その、あの、恋花ちゃん、先に言うんだけどね、その、家に入っても引かないでね?」
「引かないでねって、それなりに覚悟はしてますよ。怒るとは思いますけど」
「うぅ、勘違いしないでね。私その、掃除とか苦手だし不器用な、だけだからね!」
「ハイハイ、今更言い訳は入りませんよ(そう言って入っていく)」
「うぅ(恥)まさか、友達にこんなの見られるとは」
「恥ずかしがらない!」
そう言って中に入っていくと、そこには、、、、
「何や、このゴミ屋敷は!!」
ゴミ屋敷が広がっていたのだ。