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これってまさか異世界転生!?  作者: さくまそう
序章
7/20

復興、そして旅立ち

黒煙の怪物の突如としての出現、そして英雄の登場は、村の中で大きな話題となっていた。


しかし、村人たちの日常は続いているのだ。


目下行わなくてはならないことは、破壊された家屋や井戸などの修復、農地の手入れ、幼い子供たちの世話と、彼らのやるべきことは山積みだった。


ガレオンとリゼは、翔太を連れて村の中心部へと歩いていく。


「翔太、一緒に村の復興を手伝ってもらってもいい?」


「あぁ、もちろん」


「ありがとう。それにしても・・・なかなか派手にやられちゃったね・・・」


「村の結界も壊されているな・・・やれやれ・・・。まぁ死者が出なかったのは不幸中の幸いってやつだな」


ガレオンは少し疲れた顔をしているが、村人たちにテキパキと指示を出していく。


翔太やリゼも、村人たちと共に村の復興に取り組む。


その間に、翔太は村人たちとのコミュニケーションを取り、農作業の手伝いや家の修理、そして子供たちとの遊びを通して、この世界の日常を学び取っていった。


また、彼の明るさや前向きな姿勢は、村人たちの心を温め、彼らとの絆も深まっていった。


そして、翔太はリゼや村の魔法使いたちから、魔法の技や基本的な使い方を学ぶ時間も増えていった。


絆の魔法は、通常の属性魔法とは異なるようで、リゼたちも魔法の基礎を教えるのに苦労していたようだった。


徐々に自らの意識で発動できるようになり、持続時間も伸びてきた。


リゼの考察通り、白いオーラを纏っている間は、一度絆を結んだ者の魔法を使うことができた。また、訓練の中でリゼと繋がり、リゼの持つ魔法を学んでいった。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


黒煙の怪物の襲撃から、およそ1ヶ月くらい経過しただろうか。


村は以前の姿を取り戻しつつあり、翔太もこの世界での生活に慣れてきていた。


黒煙の怪物はあれ以来村の近くには姿を見せていない。


よく晴れた気持ちの良い朝、翔太はリゼと共にガレオンの家に訪れた。


「今までお世話になりました」


翔太とリゼは深々と頭を下げる


「今日、出発するのだね」


「はい。たくさんのことを教えていただき、感謝しています」


この世界の常識や生活に必要な知識はガレオンや村人たちが親身になって教えてくれた。


「また寂しくなるなぁ・・・」


ガレオンは笑いながらも、優しい表情でリゼに話しかける


「リゼよ。兄上の街が滅ぼされてから、お主が生きているだけで私は救われたような気持ちだった。黒煙の怪物が襲撃してきた時、村だけでなく、兄上だけでなく、お主をも失うのではないかと怖かった。」


リゼは真剣な眼差しで、少し緑の瞳を光らせながらガレオンの話を聞いている。


「だが、今は英雄様がついておる。安心して任せられるわ!」


ガレオンが翔太の方に向き、はっはっはと大きな声で笑う。そして再びリゼに向き合い、


「辛いことがあれば、いつでも戻っておいで。今はここがお前の家なのだから」


「・・・ありがとう。叔父さん」


この村で生活している時に、リゼから教えてもらった。


リゼの父はヴァルフォーレという街の領主であった。


ヴァルフォーレは知識の街と言われるほど、書物にあふれた街で、魔法の研究が盛んであったこと。


書物を読むことが好きなリゼは、さまざまな書物を読み、周りが驚く速度で様々な魔法を習得していた。


しかし、突如として黒煙の怪物が出現。ヴァルフォーレの住人もなんとか戦うものの、対処法が確立されておらず、街へ侵攻してきた黒煙の怪物を止めることができなかった。


リゼの父が黒煙の怪物の襲撃を受けた際、命を代償に《瞬間移動》を発動し、弟であるガレオンの村へとリゼを転移させた、ということ。


これが、俺がくる3ヶ月前に起きた出来事だったらしい。


リゼの故郷だけでなく、様々な都市や街が被害に遭っているという現実を村のみんなから聞いた時の無力感と憤りが翔太の中で渦巻いていた。


「英雄様、どうぞリゼのことよろしくお願いいたします」


ガレオンの言葉にハッと我にかえる。


「必ず、帰ってきます!」


翔太は笑顔で力強く答えた。


ガレオンはふむ・・・と顎の下に手をやって何かを考え、そして


「・・・婚姻の儀式はこの村でぜひやっておくれよ??」


と、突拍子のないことをいいだした・・!


「「そ、な・・・何を言ってるんですか(言ってるのよ)!!」」


「息ぴったりじゃないか!」


はっはっはとガレオンが陽気に笑い飛ばす


翔太とリゼは恥ずかしさと気まずさの中、ガレオンの優しさに緊張がほぐれたようであった


「では、行ってきます!」


「必ず、帰ってくるから!!」


二人が村の外へと向かうとき、村人たちも盛大に見送ってくれた


二人は、フレイアル地域の王国、アグニア王国へと向かって出発するのだった。



序章は物語の展開を進めたく、駆け足になってしまいました・・・!

次回から第1部が始まる予定・・・ですが、翔太やリゼの外見は!?魔法の設定はどうなってるの??などなど、翔太が学んだ内容を含めて番外編として書いていこうと思いますので、背景を詳しく知りたい方はぜひ読んでみてください。

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