第3話:王国ギルド
翔太たちを乗せた馬車は、アグニア王国へと到着する
「うわぁ・・・やっぱり近くで見るとすごいな・・・・」
馬車から見えた外観だけでも男心をくすぐられるというか、厨二心をくすぐられるというか・・・!
そんな景色が広がっていた
王国の大きな城壁は赤く、そして高く王国を囲っているようだった。その城壁の奥には大きなお城が見えており、赤やオレンジなど赤色系統の素材が使われているような、そんな外観を有していた。さらに、その奥には大きな山があり、このフレイアル地域の中でも有数の火山であるとリゼが教えてくれた。
「やっぱお城はかっこいいなぁ・・・!」
「翔太の世界にも、ああいうお城はあるの?」
「ああ・・・!俺がいた国と世界とでまた形が変わるんだけど、これは西洋風というかドイツ風なのかな・・・?そんな感じでよく物語の舞台にもなるような場所なんだ」
「今はそのお城は使われていないの?」
「今は住んでたりはしないんじゃないかな?ほとんど観光用って感じだね」
「へぇ・・・どうやって国を守るんだろう・・・」
「基本的には平和な世界だからね・・・。お城はもうシンボルというかそういう扱いだよ」
翔太とリゼがそんな話をしていると、門の前に到着し、衛兵たちが馬車の確認を行なっている
「よし、通っていいぞ!」
簡単な身体チェックと、魔法による検査により無事翔太たちは王国へと足を踏み入れた
「さぁさぁお二人さん!!王国騎士団の方に行きましょー!」
アルセニールは意気揚々と俺たちの腕を引っ張りながら歩いていく
「ちょいちょい・・・!俺たち宿とかその辺の確保がまだなんだけど!」
「その辺はもう、私がチョチョイとやっておきますから!!」
さぁいそげ!と言わんばかりに前進していくアルセニールに少し呆れながらも、翔太とリゼは王国騎士団の詰め所へと向かう
そこは「ギルド」と呼ばれている場所であり、クエストなど様々な依頼が受けられる場所でもあった。
アルセニールは受付へと突撃し、早速交渉を始める
「すみません!!とてもいいお話を持ってきたのですが・・・」
「は、はぁ・・・?」
受付嬢はとても困惑しているようだった。いきなりやってきた謎の三人組に戸惑いながらもきっちりと仕事をこなそうとする。真面目な子だなぁと翔太は客観的にやり取りを眺めている
「じ・つ・は・・・!ここにいるこのお二人!!!あのネビュロスを討伐したんですよ!!!!この二人だけでですよ!?」
受付嬢は翔太とリゼをまじまじと足の先から頭の先まで見つめている
「そこでそこでそこで、この大商人・アルセニール・シルバーリーフがこのお二人を是非是非王国騎士団に推薦しようと思いまして・・・!」
「・・・あ、傭兵のお申し込みですね?わかりました。では・・・」
淡々と仕事を進めようとする受付嬢に
「ちょいちょーい!!えっえっ??驚かないんですか???討伐してるんですよ撃退してるんですよ???あの化け物ネビュロスをよ???」
と激しいツッコミを入れている。驚きからか焦りからか、アルセニールの言葉が乱れている。こんな性格わかりやすいのに商人なんて務まるのか・・・?と思いながら話を聞いていると
「はぁ・・・。実際に見てみないとわかりませんし、そうやって討伐情報を盛って王国騎士団に取り入ろうとする輩も多いので・・・」
受付嬢は、ハイハイまたですかというようなノリでアルセニールをあしらっていた
アルセニール「いやいやぁ本当なんですって!!いやまぁ私も直接みたわけじゃないんですけども・・・」
アルセニールの語気が弱まっていく。受付嬢はホラァっというような顔で彼をみている
「今は緊急事態みたいなものなので、傭兵の受付や冒険者登録はさせていただいていますが、実績を確認できない人を騎士団には推薦できません」
受付嬢はピシッと言い放った。真面目ちゃん、強し
「あの、傭兵に登録したらどういうふうになるんです?戦いに呼ばれたりとか?」
受付嬢は翔太の方を向き、説明を始める。アルセニールは床に這いつくばりオイオイ涙を流していた
「基本的に、実績に応じてランク分けをさせていただきます。そのランクに応じた討伐クエストや、有事の際に召集をかけてクエストに当たっていただきます」
「冒険者との違いは?」
「冒険者は、冒険者連盟に登録を行い、そこからランクの評価が下されます。クエストを受けるも受けないも本人次第ですが、クエストをクリアしなければ報酬はありません。傭兵はその国に所属していただくことになりますので、様々な要件で召集がかかります。拒否は基本的にできませんが、月給という形で貢献度に応じてお給料が出るようになっています。」
なるほど、フリーランスで働くか、会社勤めするか・・・的な感じか?
「私たちはいろんな国を旅する予定なので、傭兵よりは冒険者登録をした方がいいかな?」
リゼが受付嬢に確認をする
「そうだな、その方が動きやすそうだし、なんかワクワクするし!」
「でしたら、窓口の方に案内いたしますね・・・」
翔太とリゼは、泣きじゃくっているアルセニールを引っ張りながら案内された窓口にやってきた。
冒険者登録をお願いします、と受付嬢が窓口担当の方へと声をかける。何か耳打ちをし、そのまま業務の引き継ぎを行なった。年齢は30代ほどだろうか、ガタイがよくイカつめの男性が受付のようだ
「ようこそひよっこたち。俺はブランドンって言うんだ。よろしくな」
男は大きく、ずしっとした声で自己紹介をしてくれた。翔太たちも続けて挨拶をする
「冒険者登録は、簡単な魔力検査と筆記試験と実技試験をさせてもらうんだが、構わないな?」
「ひ・・・筆記試験・・・?」
「なーに、簡単な魔法や戦闘について聞くだけさ。ランクには影響するが合否には・・・まぁそんなに影響しねぇよ」
ブランドンはわっはっはと笑っている。
「冒険者には知識は当然必要だ。それに合わせて大事なのが実技。これらをテストすることで、どれだけ生存能力が高いか、それが冒険者のランクに加味されるってわけだ」
なるほど、知識も技術もないものに、高度な仕事は任せられないもんなと、冒険者の仕組みに頷きながら、ブランドンに尋ねる
「試験はいつやるんです?」
「そーだな・・・おーい、セリア!」
ブランドンが名前を呼ぶと、奥の方から女の人が出てきた。細身で小柄だがどこか風格があるような気配を漂わせている。赤色の長い髪を後ろで一つに束ねている。
「用事ですか?」
「おう、試験を受けたいんだとさ」
「うぇ・・・まためんどくさいことこっちに投げて・・・アタぁ!」
ブランドンがセリアの頭を小突く。少し涙目になっている
「バッキャロ、上司命令だ。文句言わずにやって来い」
「ひどいと思わない???横暴だよね横暴・・・訴えてや・・・いたあぁい!」
ブランドンがさらに頭を小突く。セリアも言わなければいいのに、少しあほの子なのか・・・?
「く・・・覚えてろよぉ・・・くっ・・・」
セリアは涙目になりながら、俺たちを試験場へと案内してくれるのだった
「・・・さて、さっきの話は本当か確かめにいこうじゃないか」
ブランドンは受付の仕事を別のものに任せ(勝手に投げ)、試験場へと向かっていった
ブランドン
身長:180cm程度
体格:筋肉質でがっしりとしている
髪型:濃い茶色の短髪
目の色:茶色
セリア
外見:150cm程度
体型:細身で小柄。Bカップ
髪型:赤色の長い髪。後ろで一つに束ねている
目の色:藍色




