突如の異世界と未知の力
翔太は突如として見知らぬ土地に立っていた。四方を見渡すと、森の中。木々がそよぎ、自然の音が心地よく聞こえる。
空を見上げると2つの太陽が森を照らしている。一体どこに来てしまったのか・・・。
すると、不意に森の奥から聞こえてくる、女の悲鳴のような声。
驚きつつも好奇心から、その悲鳴の聞こえた方角へと足を向ける。
すると、銀髪で緑の瞳を持つ少女が、黒煙を纏った怪物に追い詰められていた。
黒煙の怪物の姿はまるでオオカミを思わせるもので、四足歩行の獰猛な姿勢と鋭い眼光をもっている。
しかし、全体像は黒い煙でおおわれておりはっきりとした輪郭は見えない。時折紅い瞳だけが光っている。
「く・・・、こんなところで・・・!」
少女は杖や手から火の玉や矢などを放ち、黒煙の怪物に向けて放つ。
しかし、効いていないのか怪物は止まらず、徐々に劣勢になっているようであった。
翔太は何もできない自分に焦りを感じつつ、なんとかして助けなければ・・・!と足を動かそうとする。
少女と黒煙の怪物が翔太に気が付きこちらを見る。
体中から恐怖が湧き上がってくる。今まで生きてきて感じたことの無い気配。殺気、死の恐怖・・・。
少女の目は絶望に染まりかけていた。あきらめたような瞳で、声にならない声で、唇を動かす。
「たすけて・・・」
その瞬間、「何か」が彼の中から湧き上がってくる力を感じた。
不意に感じた感覚、気が付けば恐怖よりも助けなければという正義感が体を支配していた
「う、うおおおおおおおお!」
翔太は腹の底から大きな声を出し自身を鼓舞し、黒煙の怪物に殴りかかろうとする。
黒煙の魔物は一瞬身構え、少年の突進を受け止めようと体勢をとる。
翔太のこぶしは空を切り、黒煙の怪物は翔太を弾き飛ばす
翔太は大木にたたきつけられる。
「っ・・・・!ぐ・・・ゲホッ・・・」
黒煙の怪物の一撃は鋭く、意識が一瞬で遠のきかける。
その時、少女と再び目があい・・・そして、体の中から「何か」がはじける
「・・・?!」
翔太の体から白いオーラが立ち上る。それを見て黒煙の怪物は後ずさりをしている
「その・・・魔力は、いったい・・・」
少女がそうつぶやいた瞬間、白いオーラは少女をも包み始めた
「これは・・・うぅ・・・!」
少女と翔太は白いオーラに包まれながら、先ほどの傷が癒えていることに気が付く
「これなら・・・いけるかもしれない・・!」
少女は杖を構えなおし、黒煙の怪物に向き合う。黒煙の怪物は何が起きたかわからない様子で、油断なく身構える。
「今なら、出来る・・・!行くわよ怪物!|《業火の舞》!!!!」
少女は杖を操り、青と赤の炎を呼び出し、黒煙の怪物にまとわせた。
どんどんと炎は大きく燃え上がり、その勢いのまま黒煙の怪物を焼き尽くす
「グォォォォォォ・・・」
悲鳴のような雄たけびは炎の勢いに飲まれ消えていった・・・。
驚きと疲れで膝をつく少女。彼女は自分の魔法が何故そんなに強力になったのか理解できず、翔太も同じく何が起きたのか全く分からなかった。
しかし、二人の間に流れる奇妙な絆を感じ取ることができた。
「あなた…どこから来たの?何者?」
少女が疲れきった顔で、でも好奇心溢れる瞳で翔太を見上げた。
「それは…」
彼女と目を合わせ
「俺は、異世界からきた・・・のかもしれない・・・?」
初めまして、さくまそうと申します。
頭の中に思い描いている世界を文章として表現するのは初めてなので、拙い文章かと思いますが読んでいただきありがとうございます。
異世界転生ものを書いてみたく、ただゲームの世界とは少し違う、シリアスもコメディもラブもある、そんな物語が読みたいなと思い、書き始めてみました。
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どうぞこれからもよろしくお願いいたします