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ガイヤの二人  作者: タカ536号機
1/1

主人公級の二人を見守る二人は恋をする

「優よ、話を聞いてくれ」


「別にいいけど」


僕こと佐々木 優は、授業が終わり放課後になった後、帰り道に急に今日は珍しくサッカー部活が休みの親友である俊介から話を持ちかけられた。


「俺はな」


「何?」


「俺はな」


「いや、そこ粘らなくていいから」


「俺はな」


「どこまで粘るつもりだよ!」


「三年後くらいまで」


「もう、僕達卒業しちゃってんじゃん!」


「それまで、俺は「俺はな」しか言わない」


「もはや、ロボットだよ!」


「俺ハナ」


「口調までロボットに!?」


「まあ、いつもの優いじりはこれくらいにしてと」


「優いじりって言った!? 僕いじられたの!?」


「今日の今日まで気づかない辺り優だよな」


「あれ?これ褒められてるの?貶されてるの?」


そんな、軽口を叩き合いながらもさっきから俊介が震えていることに気づいていた。

間違いなく、俊介は緊張している。


「俺は明日、言葉 凪さんに告白しようと思うんだが、どう思う?」


「言葉さんに?」


言葉さんと言えばウチのクラス一年三組で一番の美少女とクラス全員一致で挙げられるほどの人物だ。


「接点はあるの?」


俊介は人を見た目だけで好きになる奴じゃない。理由があるはずだし、それに接点次第で上手くいくか変わると思う。俊介はいい奴だからある程度接点があれば良さが伝わると思うが。


「言葉さんはサッカー部のマネージャーなんだ」


「あっそう言えばそんな話聞いたことあるかも」


「それでな....」


「あーなんとなく察したかも」


おそらく、彼女が一生懸命に努力する姿に惚れたんだろ。俊介は努力する人間が大好きで人の努力を率直に褒められる。これなら上手くいく可能性もあるかも。


「実は、言葉さんがマネージャーをしている時に宇宙人が訪ねてきてな」


「なんでだよ!? なんで、そうなったんだよ! 僕の予想してたストーリーと大分違うんだけど!?」


「「ウィース、さらいにきました」的な感じのテンションで来てな」


「ノリ軽!? そんなテンションで地球人をさらいに来たの!? せめて、やる気もう少しだしたら?」


驚きの軽さである。と言うか今のところ俊介が惚れる話が一向に出てくる気配がないが大丈夫か?


「そもそも、なんで言語通じてんの?」


「それはだな....これは絶対内緒だぞ。信用してるお前だから話すんだからな。

言葉さんは能力者で「あらゆる言語を自分と周囲の人間に翻訳可能」と言うスキルも持っていてな」


「あれ?なんか今、世界観変わったぞ?」


「言葉さんは、その宇宙人をその場にいた人達を守りながら戦ってな」


「あれ?もはや、ヒーロー的展開だぞ?お前の登場いつなんだ?」


「なんとか勝ってな、俺も加勢したかったが言葉さんは巻き込まないよう、俺たちにバリアを張って守ってたから出来なくてな」


「ようやく、出てきたな」


「言葉さんは俺たちが安全に過ごせるように俺たちの記憶を消そうとしたんだが、俺の記憶だけは何故か消せなくてな、言葉さんは申し訳なそうな顔をしていたが....あれだけ必死に戦って疲れてるだろうに人のことを心配できるってすごいなと思ってな」


「それで」


「んで、そんな言葉さんを無力ながら少しでもサポートしたいと思ってサポートさせてくれないか?って言ったら」


「断られたたんだね?」


「でも必死にお願いしてな、なんかほっとけなかったんだ。命の恩人みたいなもんだし。

邪魔なのは分かってたけどさ、言葉さんみたいな人が1人で辛そうに戦ってるのに耐えられなかったんだ」


「俊介だもんな」


僕はいかに俊介がいい奴か知っている。


「俺がサポートしたいからなんだ!俺の全部ワガママなんだ!だから、俺のことを気にしなくていいから!でも、勝手にサポートはする」って言ったらな最終的に、言葉さんは「そんなこと言われたら、断れない。ずるい」と言ってな。その顔が可愛いと思ってしまったというかなんと言うか」


「それで自分の感情に気づいた訳か」


「全部信じてくれるのが優らしいよな。他の奴ならこんなこと言っても絶対信じてくれないもん」


「いっとくけど俊介だからだよ? 俊介以外なら信じないよ?俊介がそんな嘘をつくバズがないって信じてるからだよ?」


「その辺がさらっと言える辺りがお前はずるいと思う」


「? まあ、よく分からないけど。上手くいくことを願ってるよ」


俊介には是非幸せになってもらいたい。


「あぁ、頑張ってくる」


「いってこい、俊介」


そう言って僕は俊介の背中を押す。


「まあ、明日だけどな」


「確かに」


「まあ、でも勇気はもらったよ!本当に今日はありがとうな」


そう言って、俊介はダッシュで帰っていった。



翌日の夜


ブルル ブルル スマホが鳴っている。

俊介からだ。


ガチャ


「俊介か?」


「ああ、結果を口で伝えたくてな」


「どうだった?」


「つ、つ、付き合うことになった」


「良かったな、僕は嬉しいよ」


心の底からそう思う。俊介が幸せになるのは僕も嬉しいのだから。


「そこら辺で変に嫉妬したりしない辺りが優らしいよな。そういうとこ、俺が好きなとこだ」


「幸せになれよ?」


「勿論、言葉を幸せにして見せる」


「俊介もだぞ?」


「言葉と付き合えてんだから、俺はもう幸せだぞ?」


「早速惚気か?まあ、俊介が幸せならそれでいいか」


とにかく、俊介おめでとう!僕は心の中でファンファーレを鳴らした。








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