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28 嫌な予感

続きです!

<<<<<トウカ:パート>>>>>



 「君たちを拠点まで護衛することになった、村上(むらかみ)だ。よろしくな」


 「ボクは金川(かねかわ)十鹿(トウカ)です」


 「桃流院 (とうりゅういん)刹那(セツナ)だ」



俺たちは軽く自己紹介をした。

それにしても、このヤンキーの苗字は『桃流院』と言うのか……。

めっちゃかっこいいじゃないか。

 

 村上さんは、見た目は20代後半の青年で大人しそうな雰囲気だ。

黒髪で前髪を控えめに上げてる髪型で、これといった特徴がない顔立ちをしている。



 「よしっ、今から君たちを、俺たちの拠点まで案内する。すぐに俺の仲間が護衛として来るから、少し待っててくれ」



村上さんはそう言うと、黒い長ズボンのポケットから、一回り大きいビー玉ような『青色のガラス玉』を出す。

その『青いガラス玉』を地面に転がすと、


 “パキッ”


足で思いっきり踏んづけた。

ガラス玉が欠ける音がしたと思ったら、青い煙が空高く立ち上っていく。



 「これで、今から護衛として来る仲間たちが来てくれる。ただ、罪人(つみびと)も寄ってくる可能性もあるから、何かあったらすぐ言ってくれ」



村上さんはそう言うと、辺りを警戒し始めた。

周りには建物もない。

まるで都内にある少し大きな公園の中にいるみたいだ。

辺り一面原っぱで、所々、木々がある。

 

 煙が出ているガラス玉を、ジッとみるセツナが口を開いた。



 「そういえば、変態……あーー金川? だっけ?」


 「できればトウカと呼んでくれないか? 俺は名前で呼ばれるのに慣れてるからさ」



今、変態って言おうとしたよな? と心の中で呟いたが、スルーしよう。



 「トウカさぁ、今気づいたんだけど、白い煙どうした?」



俺はセツナに言われてから気づく。

自分の身体を見ると、さっきまで煙が出てたのが収まっている。



 「あれ……ほんとだ。なんでだ?」


 (そういえば、俺が倒れていた時に、身体の周りにあった水たまりは、しょっぱかったな……)



俺はあれこれ考えて、ある結論にたどり着いた。



 「落下したことにより、汗が全て渇いたかもしれないな……」



俺はボソッと呟いた。

その呟きが聴こえたのか分からないが、セツナがゴミを見るような目で俺を睨んでいた。

 

 俺たちは何一つ喋らずに、護衛部隊を待っていた。



 「おかしいな……。隊長はすぐに護衛部隊を派遣するって言ってたのに……」



村上さんは呟く。

確かに、隊長と呼ばれてた男性が飛んで行って、三十分は経つだろう。

俺は何気なく、お腹をかく。



 (あれっ……? イケメンの棒に付けられた傷がない!?)



俺はシャツをまくる。

そこには、何一つ傷がない身体がある。



 (あの時、スプーンで肉をえぐられたような深い傷がいくつかできたと思ったんだけど……)



横目で、変態を見るような目で俺のことを見るセツナを気にせず、そんなことを考える。



 「そろそろ暗くなる……。どこかに身を隠さなければ……」



村上さんはそう言うと、



 「ここら辺で、朝まで隠れられそうな場所がないか探してくるから、君たちはここにいてくれ」



そして、またズボンからある物を取り出した。

 


 「「これは!」」



俺とセツナは口を揃えて言う。

村上さんが出した物は、セツナが持っていた『アヒル型のホイッスル』だ。

しかしセツナが持っていたホイッスルとは色違いの物だった。



 「何かおかしなことがあったら迷わず吹いてくれ」



村上さんは真顔で言う。

セツナは村上さんに質問をした。



 「あの……あたしもこれの色違い持ってたんですけど、これって何なんすか?」


 「そっか、これって普及している物なのか……。俺も詳しいことは分からないけど、隊からの支給品で、これを吹くと半径500メートル以内までなら、どこでこのホイッスルが鳴らされたか分かるんだ」



そして、ポケットからコンパスような物を取り出した。



 「この『アヒルコンパス』でね」



それは、アヒルの形を全くしていない、普通の黒いコンパスだった。



 「へぇ~、すっげーーんだなそれ」



セツナは理解できたのか、できてないのかよく分からない返事をする。

俺は村上さんにあることを質問する。



 「そのホイッスルを使って、何か儀式とかすると、何かを召喚とか呼び出したりできるんですか?」



すると村上さんは笑って応える。



 「そんなことできるわけないよ! あくまでも居場所を伝えるためのアイテムだよ」



そして村上さんは走っていった。

 

 俺はセツナに言う。



 「あのですね、セツナさん」



セツナは俺の顔を見ずに、「ん?」と言った。



 「セツナさん、俺に心の中で思い浮かんだ踊りをしろとかさ、罪人(つみびと)を瞬殺するほど強いヤツが来るとか言ってなかったかい?」



セツナは俺の顔を見ずに黙り込む。



 「いやいや、知らなかったとはさ! 人を騙すのはいかがなものかと、ボクは思うんですよね? セツナさん?」



俺は追い打ちをかけるように言う。

すると、セツナは顔を真っ赤にして、俺の方を向いた。



 「うっせーーんだよ!! だってお姉ちゃんが『その笛鳴らせば、アタシはどこにいたって飛んでいくからな? そん時は心の底で思い浮かんだ、心が籠った踊りをしながら吹くんだぞ』って言ってたんだよっ!!」



唾を飛ばしながら言った。

そしてセツナは黙り込んでしまった。

ここで俺はあることを思う。



 (そう言えば、半径500メートルくらいじゃないと効果がないんだよな……。助けに来られる場所にいつもいるってことなのか?)



深く考えても分からないものは、分からない。

俺たちは村上さんが戻るまで待った。


 少しボーとしていると、村上さんが戻ってきた。

村上さんは手を大きく振って俺らの方に走ってきた。

もしかして、今日の寝床が見つかったのかと思い、俺も手を振り返した。

なぜか、セツナは舌打ちすると、村上さんとは反対の方向に走り出す。



 「おい! セツナ? どこ行くんだ!?」



セツナの謎の行動に理解できない。

まぁ、セツナも一応女子だから、一人になりたい時もあるんだろう。

村上さんが近づいてくる。

それと同時に、ある音も近づいてくる。


 “ブルゥゥゥゥゥゥゥゥ!!”


ん? なんかエンジン音みたいな音が……

村上さんが言っていることが分かった。



 「走れぇぇぇぇぇ!!!」



俺の世界にある、大型バイクが村上さんの後を追いかけてた。



 「アイル・ビーー・バック!!」



俺はセツナの後を追いかけるように、全力で走った。

誤字脱字がありましたら、教えてください。

明日も一話分投稿しようと思ってます。時間は夜19時くらいを目安にしています。

引き続き、読んでいただけると嬉しいです!

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