25 その女性、凶暴につき
続きです!
24の誤字脱字を修正しました。誤字が多くて申し訳ありません。
また、本編の一番最初に『0話 始まりのお話』も投稿しました。
そちらも読んでいただけると嬉しいです!
カラクリ式自転車から飛び降りてきた女性は祈者を前に臆するどころか、圧倒的な力を見せつけた。
肩下まで伸びた長い黒髪が風になびく。
雰囲気は20代後半くらいの大人な女性。
耳には銀色のリング型ピアス。
服装は、あちこち破れている黒い革ジャンに白い無地のTシャツ。ズボンは長い黒のパンツを履いている。
何といっても特徴的なのは、目つきが鋭いことだ。
俺が今まで会った女性で、あそこまで目つきが悪い人は見たことがない。
そして、男顔負けの口調と仕草が印象的だ。
「なんか、手がテカってんだけど……このハゲ、シャンプーしてんのかよ。ーーーペッ」
その女性は両手を、黒の革ジャンで拭うと、ズボンのポケットに両手を突っ込んだ。
確か、後ろに乗ってたダサい服装をした女性がカレンと呼んでたな……。
カレンと呼ばれている女性は、地面に垂直に足を伸ばしている祈者に吐き捨てるようなセリフを言うと、唾を吐く。
吐いた唾が祈者の頭に命中した。
女性だよな……? 俺は疑問になるが、女性特有の胸の膨らみがあることに気づく。
すると、その女性は俺の視線に気づいたのか大きな声で、
「何見てんだよ!? 見せもんじゃねぇぞ!!」
怖いぃぃ!!
俺は思わず、目を背ける。
「ーーーッチ。マコはーーーー、あーー向こうの方までドライブに行ってらぁ」
その女性はそう言うと、俺の方に歩いてきた。
ズボンのポケットに手を入れ、肩で風を切り、周りを威嚇するような歩き方。
なんか、雰囲気が……。いきなり殴ったりしてこないよな……。
そんなことを考え、ビビっていると、女性が俺に向かって話す。
「おい! そこのお前!」
「はいっ!」
思わず大きな声で返事をする。
「おう……、ケガのわりには元気そうじゃねぇか……」
その女性は少し驚いた声で言う。
そして、続けて言った。
「お前に聞きたいことがあるんだけどさ、ここら辺にさ、ガチで可愛い女の子見なかった? 年齢は17で、こんくらいの背のーーーー」
歩きながら手で、これくらいの背だよと分かるようにジェスチャーをすると、
「いったぁぁぁいナァァァナァァァ!!!」
耳が壊れるくらいの大きな声が聴こえた。
その女性は片目をつぶり、両耳に指を入れて、うるさいと言いたげな表情をする。
後ろを見ると、地面と垂直に足を上げていた祈者が起き上がって、俺らの方に向かって叫んでいた。
その口は、人間の限界を超えて大きく開いている。
「あーー!! このクソハゲ、うっせんだよっっっ!!! そんなにでかい声出さなくても聴こえるわ!」
女性はイライラしているような声で言うと、祈者の方を振り向いた。
「!!!」
俺はあまりの驚きに、ハッと息を吐く。
女性が振り向いた瞬間に、女性の目の前に、首に嚙みつこうとする、大きく口を開けた祈者がいた。
その時間、ほんの数秒のことだ。
この祈者の動きが速いというよりは、突然そこに現れるという印象だ。
もしかして、“物体を止める”以外の、2つ目の能力か?
「ーーーッチ」
その女性は舌打ちをすると、
“カックン!!”
歯と歯が当たる音がした。
しかも、その音が周りにも聴こえるくらいの音だ。
よく見ると、女性の右ヒジと右ヒザで、祈者の頭を思いっきり挟んでいた。
「いでぃ!!!」
祈者は、すごい形相で歯を噛みしめている。
むしろ、どことなく痛みに耐えている顔にも見える。
「おいおい! あすなろ抱きか? そんな抱きつき方じゃモテねぇぞ?」
そして、ヒザから倒れ込む祈者の頭を両手で掴むと、
「先ずはその脂ぎってる顔を洗おう……なっ!!!」
女性はそう言うと、祈者の顔面に向かってヒザ蹴りをする。
「ぶしゅぅぅ!!」
祈者から変な声が漏れる。
女性はそのまま流れるような動きで、祈者の顔面に回し蹴りをした。
“ゴキン!”
鈍い嫌な音が響く。
祈者の首は、右下に垂れるように伸びていた。
人間なら死んでるレベルだ。明らかにヤバい……。
「おう、しばらくマッサージいらねーーじゃん」
女性はおどけたように言った。
そして、続けて、
「よく首が回ると思うぜ? 文字通りな! 感謝しろ」
無邪気な子供のように笑って言う。
あれだけ強かった祈者をここまで圧倒する、この女性は一体何者なんだ?
もしかしたら、もしかしたら、このまま祈者を倒せるのではないかと期待をする。
「話がそれちまったが、可愛い女子見なかったか?」
その女性は再び、俺の方向を見て言った。
「可愛いか知りませんが、年齢が17歳くらいの女性は、俺らの仲間の別の部隊が保護しています」
俺はそう応えると、その女性は再びズボンのポケットに手を入れ、少し考える表情でこちらに歩いてきながら言う。
「うーーん。一目見たら激ホレ間違いないんだけどなぁ、セツナじゃねーーのかな?」
そして、俺の前まで来ると、かかとをつけて足を広げるようにしゃがみ込むと、
「とりあえず、お前らが保護してるっつーー場所まで案内しろよ、な?」
間近でみると、整った顔に切れ長の目をした美人だが、なんとなく怖い……。
「は……はいぃっ!!」
俺は返事をして、続けて言う。
「し……しかしーーー」
「しかしーーんだよ? あぁ!? 文句あるのか?」
いちいち、突っかかるような言い方しなくてもいいのでは!? 怖いよこの人!
「その……ボクの一存では決めることができなくてーーー、後ろにいるボクの仲間と相談してもいいでしょうか?」
「仲間ーーーーあぁ、あそこで罪人の下敷きになってるヤツとーーーー、あっちでバトってるあいつらか」
俺は最後の一言が疑問に思った。
(あっちでバトってるってどういうことだ?)
俺は後ろの方にいるはずの、細木先輩とミキを見る。
もう、細木先輩はミキを自分の馬に乗せていてもいい時間だ。
そんなに時間が掛かるはずがない。
俺は振り返ると、驚きのあまり心臓の鼓動が高鳴った。
「ハァハァバァァァ!!!」
「ウキュウァァァァァ!!!」
今まで気づかなかったが、二人が乗っていた二頭の馬が、別の二体の罪人に襲われている。
その罪人は身体はサルだが、目からはカタツムリの触覚のようなものが飛び出ていた。
「ヒヒーーン!!」
細木先輩が乗っていた馬は、必死に抵抗している。
しかし、ミキが乗っていた固まっていた馬は、身体中が血まみれで地面に倒れていた。
所々、食いちぎられている跡がある。
そして、罪人と馬から少し離れた位置に、祓刀を構えた二人が立っている。
俺はその状況を見て、考える。
(早く、二人のもとに加勢しなければ……、しかし、先ずはマホト先輩を助けなければ……)
いろいろと考える。
たぶん細木先輩の馬は、もうダメだ。
すると、残りの馬は俺の馬だけ。拠点までの帰路は絶望的だった。
(今は、仲間を助けるのが先だ)
俺は立ち上がろうとする。
「ヴッ……」
“ビシャ”
力を入れたら、吐血をしてしまった。
祈者に殴られた額とお腹が強烈に痛い。
それに、めまいのせいで、上手く立ち上がることができない。
そんな状態を見た、女性は俺に言った。
「まぁ、そんだけケガしてりゃぁ、立てねーーよな」
女性は立ち上がると、続けて言う。
「とりあえず、えーーと……1、2……4人か。貸し4な。あと、あそこでストレッチがキマっちまってるハゲを見とけ」
その女性は右手の親指で祈者を指さすと、
「あのハゲ、まだ動くぞ。変な行動したら、アタシにすぐ伝えろよ」
そう言うと、マホト先輩の方に歩いて行く。
その女性はマホト先輩を下敷きにしている馬に近づくと、
「すぅ~」
深呼吸をして、右足を振り上げる。
そして、馬の身体目掛けで蹴りを入れた。
“バコン!!”
強い衝撃音が聴こえた同時に、下敷きにしていた馬の身体が飛ばされる。
「な……」
あまりにもあり得ない出来事に、開いた口が塞がらない。
「うっし!」
その女性は満足そうな声を出すと、驚きのあまり口がアワアワしているマホト先輩を見下ろして言った。
「歩けるか?」
マホト先輩は激しく首を縦に振る。
その女性は、マホト先輩の行動が可笑しかったのか、フッと鼻で笑う。
女性は、ポケットに手を入れながら、肩で風を切って、細木先輩たちの方へ歩いて行った。
「次はエテ公か……」
誤字脱字があれば教えてください。
明日も一話分投稿しようと思ってます。時間は夜19時くらいを目安にしています。
前書きにも記載しましたが、本編の一番初めに『0話 始まりのお話』を投稿しました。
こちらも読んでいただけると嬉しいです!
突如登場した、圧倒的な力を持つ女性は、主人公『トウカ』にとって重要な人物の一人になってきます。
これからどう関わっていくのか期待していただけると嬉しいです!
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よろしくお願いしますm(__)m
引き続き、読んでいただけると嬉しいです!




