22 踊り切った先に
続きです!
<<<<<トウカ:パート>>>>>
「あんたら誰!?」
セツナが驚いた声で言う。
(えっ……。セツナ様が呼んだお知り合いじゃないの……?)
俺は戸惑いの声を心の中で呟く。
じゃあ、この怪しい白い集団は何者なんだ?
ーーもしや、祈者の仲間じゃないよな?
疑念が生まれ始める。
すると、白い法被を着た男性が言う。
「俺らは君たちの味方だ。今は俺たちを信じて、付いて来てくれ!」
そしてセツナの手を引き、馬の罪人の前方に乗せて、自分も跨った。
あんだけ目つきが悪いセツナの目が丸くなっている。
本当に知らない人たちでパニックになっているのが一目で分かった。
「救助者一名確保。空中へ避難します!」
セツナを乗せた馬の罪人は黒い大きな羽を羽ばたかせると、大きな風圧を巻き起こして空中に飛んで行った。
「ほら! 君も固まってないで早く乗って!」
もう一人の白い法被を着た男性が、俺の肩をゆすって声をかける。
(俺も、早くその馬に乗りたいんです! でも身体が動かないの!)
そんなことも知らずに白い法被を着た男性は切羽詰まった顔で言う。
「怖いのは分かる! でも、安心してくれ! 必ず俺たちが助けるから!!」
(頼もし過ぎる! お願いですから、俺を担いで行ってください!)
俺も心の中で、切羽詰まった声で言う。
「ダメだ……。仕方ない担いででも連れいくしかーーーー」
その男性が言いかけた時に、
“バシン!”
突然、俺の右ほおが熱くなる。
そして、ジンジンと痛み出した。
俺は身体が動けないので、目を向けると、一人の白い法被を着た女性がいた。
どうやら、その女性が俺にビンタをしたようだ。
「怖いのはみんな同じなんだよ! でも君が助けて欲しいと行動で示さないと、私たちは助けることができない!」
その女性が言ってることがすごく分かる。
その通りだ。助けて欲しいなら、自分からサインを送らなければ、誰も助けちゃくれない。
ーーーーでもだよ。
身体が本当に動かなくて、サインを送れないボクはどうすれいいでしょうか?
俺は必死に目で女性に合図を送る。
その女性はそんなことも知らずに、今度は往復ビンタをして大きな声で言った。
「目を覚ませぇぇぇ!! 君がこうして突っ立ている間にも、私たちの仲間は次々と死んでいるんだよ!」
その女性がキッとした目で俺を見る。
俺は涙目になる。
そして、もう一方の罪人の方に向かっていった集団を見た。
「オオオオオオオオ!!!」
所々、赤く染まった白い法被を着た男性が、罪人に緑色の日本刀を振り上げて向かう。
「イヒヒヒヒヒヒ!!」
罪人は、すんなりと日本刀をかわすと、その流れで罪人は左手で男性の顔をワシ掴むように掴む。
「ガァァァァァァァァ!!!」
掴まれた男性が叫び声をあげる。
声からして、かなり痛いようだ。
よく見ると、罪人の人差し指と薬指が、男性の両目に食い込んでいる。
「あ……はっ……はーー」
男性から、息が漏れるような声がしたと思ったら、
“グシュ”
トマトを握りつぶしたような音がした。
「こんの化け物がぁぁぁぁぁ!!!」
その光景を見ていた、別の白い法被を着た男性が罪人に襲い掛かる。
罪人は口を大きく開けると、刀に噛みついた。
どうやら歯で日本刀を受けたようだ。
“ギチギチギチ”
金属同士を押し付ける音がする。
「クッソ……」
罪人と格闘している男性が言う。
罪人と男性は一歩も動けずにいると、白い法被を着た3人組が男性の助太刀をしようと、日本刀を構えて走った。
「行くなーーーー!!!」
祈者の足止めをするかのように立ちふさがっていた、リーダーっぽい人が叫ぶ。
“パキン”
罪人は嚙みついていた日本刀を嚙み切ると、目にも留まらぬ速さで、目の前にいた刀を折られた男性の首を掴む。
“ゴキッ”
鈍い音がしたと思ったら、走ってくる3人組目掛けて、その男性を勢いよく投げた。
「「グッーーー!!」」
3人組の男性たちは、あまりにも強い衝撃でそのまま後ろに吹き飛ばされた。
そして罪人は吹き飛ばさた3人組を追っかけるように四つん這いで駆け出した。
「いやーー! まさかこんなに、おやつがあるとはね! こりゃおっさんと一緒にダイエットしなきゃな!」
嬉しそうな声がする。
見ると、おっさんがニヤニヤしながら両手を揉んでいる。
「ふーー」
リーダーっぽい人が息を吐く。
そして俺の方を振り向いた。
その見た目は30代後半くらいの男性。額に目立つ傷跡がある。格好は、かなり黒ずんだ白い法被を着ている。法被にはかすれた赤い文字で『火』と書かれていた。
リーダーっぽい人は大きな声で言う。
「2班まだかーー!! もうもたねぇぞ!!」
そして、指である方向を指した。
指した方向を見ると、さきほどの4人が倒れている。その中の一人の腹に頭を突っ込む姿勢で罪人がいた。
罪人は必死に何かをしているようだ。
「水出し部隊、放水用意!! 狙いは罪人」
集団の中から、白い法被を着た4人が出てきた。
その人たちはみんな、何かを抱えている。
よく見るとそれは、水色をした大きな棺桶だった。
色は置いといて、お葬式とかでよく見るような細長い箱。
そして、水色の棺桶を、地面に立てる。
“ギュンギュンギュン”
棺桶は振動と共に、エンジンみたいな音を出す。
すると、地面に付いてる所から、みるみる、水色の棺桶が金色の棺桶に変わっていった。
「隊長! 『護力』が溜まりました!!」
棺桶を構えている一人が言う。
「こっちも完了です!」
次々と声がした。
「よし! 放水開始!!」
「放水開始!!」
リーダーっぽい人が号令を掛けると、一斉に棺桶を構えている4人が言った。
すると、棺桶の観音開きの扉がゆっくりと開いた。
“ブシャーーーーー!!!”
開いた扉から、真っ直ぐに罪人目掛けて大量の水が発射される。
「グァァゴップゥゥゥゥ!!!」
大量の水に罪人が飲み込まれると、リーダーっぽい人が大きな声で言う。
「水出し部隊はそのまま! 他の部隊は全員、空中に退避! けが人は必ず抱えてでも連れて帰るぞ! 死んだ盟友は放置する……」
すると、白い法被を着た一人が涙声で言う。
「隊長! 盟友をあいつに食われたくありません! あいつらは食われるために生きてたのではありません!」
リーダーっぽい人が言う。
「馬鹿野郎! 俺らは火消だが、火消の前に一般人の救助が優先だろ! あいつらは救助をするために行動した、意味のある立派な行動だ! あいつらの死を無駄にするな! それに、お前まで死んだら俺らは悲しむ……」
「……すみません」
馬の罪人が次々と空に向かって飛んでいく中、俺のことをビンタした女性が言っ
た。
「この人……、もしかして目を開けたまま気絶してる……」
続けて言う。
「さっきから白い煙が出てると思ってたけど、これ罪人か祈者の『護力』にやられたのかもしれない……」
それを聞いて、白い法被を着た男性も言う。
「やっぱりな、俺は一目見た瞬間に気付いたぜ」
「私も、気づいて、気付けをしたんだよね」
俺は心の中で言う。
(そうか……俺は気絶してんのか……)
そして、白い法被を着た2人はお互い頷くと、男性は俺を肩に担いで、馬の罪人に乗った。
「隊長! 救助者、これで全員です!」
「よしよし! いけ!」
白い法被を着た集団は、赤い地面に倒れている動かなくなった何人かを残して、空中に飛んだ。
おっさんはニヤニヤしながら俺らを見上げていた。
誤字脱字があれば教えてください。
明日も1話分投稿しようと思ってます。時間は夜19時くらいを目安にしています。
引き続き、読んでいただけると嬉しいです!
また、感想・評価・ブックマークをして頂くと、作者の励みになります!
よろしくお願いしますm(__)m




