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13 OとJK (A)

続きです!

<<<<<セツナ:パート>>>>>


 セツナーーーーーあたしは、相当ヤバい状況下にいることを察していた。

地面を見ると、血が付いている。

その血は点々と先の方まで伸びている。



 (この血はたぶん、こいつの血だ。どこでできた傷かは知らねぇが、ここまで出血してると相当深い傷に間違いない)



あたしは、あることに気づく。



 (もし、この血が、あの家からここまで続いているのだとしたらーーーー)



祈者(きじゃ)は、あたしたちが来た道に向かってたよな。

つまり、血の跡に気付いてる可能性が高い。


 すぐに周りを見る。

何か武器になるものはないか。

ーーーーッチ。金属バットをあの家に置いてきちまったよ。

それに、足手まといの変態がいる。



 (このまま、ここにいると捕まっちまうな)



倒れている変態を見る。

今まで気づかなかったが、血がドクドクと滲んでいるのが分かる。

なんでこいつ今まで平気だったんだよ?!



 (もともと、この変態とは会ったばかりで、名前も知らねぇ。助けてやる義理はない。こいつを囮にすれば、なんとかこの場を切り抜けられるな)



 あたしは変態を、すぐ目に入るような位置に移動させ、大の字にさせて寝かせた。

きっとこれなら、祈者(きじゃ)も変態の方に興味を持つだろう。

あたしは、物陰に隠れて祈者(きじゃ)が変態をお持ち帰りするまで待てばいい。

あたしって、あったまいい!



 「う……う……」



うめき声がする。傷が痛むんだろう。

ほんの少し、ほんの少しばかり良心が痛むが、この世界は生きるか死ぬか。

あたしは、アイツに捕まった人を何人も見てきてるが、あんな風になりたくない。まだ死んだ方がマシだ。

悪く思うなよ。恨むんなら、このひどい惨状を放っておいてる神様にしな。

 

 横目で大の字に寝ている変態を見る。

そういえば、こいつ……、面白いこと言ってたな。

確か「救えそうな人を見捨てるほど、俺は腐ってない!」だったか。

 

 “シャーーー、 キキッ!”


 ブレーキ音が聴こえる。

どうやら、あたしたちがいる建物の近くに自転車が止まったらしい。

 

 鼓動が高鳴る。早く、一刻も早く隠れなきゃ。

ーーーーどうしても、こいつの言葉が繰り返し頭の中に流れる。



 (クソったれ!!)



あたしは、覚悟を決めた。

 

 ポケットから小さな緑色の小瓶を取り出す。



 (こんなことで、使いたくはなかったんだけどな……)



すぐに変態のもとに駆け寄ると、小瓶の中にある液体を無理やり変態の口の中に入れた。

変態の口から、緑色の液体が垂れる。



 「おいおい! もったいねぇだろ!」



こいつ飲んでんのか?

あたしは、少し力を加えて変態に腹パンをする。



 「グゥ!」



変態は短いうめき声を出すと、口に含まれてた液体を一気に飲み込んだようだ。

その瞬間、変態の身体のあちこちから白い煙が出る。

今、飲ませたのは回復薬だ。

この回復薬は神殿にある泉から汲んできたもので滅多に手に入らない貴重な代物だ。

入手経路は不明だが、お姉ちゃんがお守りにと持たせてくれた。


 “シューーーーーー”


それにしても、すごい煙が出るな……。

視界がだんだん煙で白くなってきた。

変態を見ると、煙に包まれるし、身体の周りに大きな水たまりができている。



 「ちょっ! おま! これ汗じゃねぇだろーーな! 汗が蒸発してんじゃねーーよなぁ!?」



なんか考えると、段々気持ち悪くなってきた。

吐きそうになっていると、

 


「ふんふんふ~ん、よいしょっと! お邪魔しますよ~」



アイツだ。アイツが来た。



 「おいおい誰だよ、道端にケチャップ垂れ流してるヤツはよ~、この町の長として罰を与えて掃除させるぞ~」



上機嫌で鼻歌混じりの声がする。

声はいかにも一般的なおっさんだ。しかし、言葉には言い表せない違和感がある。

人間に備わっている野生本能が、逃げろと叫んでいる。



 「えっ……なにここ……」



祈者(きじゃ)の暗い声が聴こえた。



 「あれっ……あれあれあれ? ここ駄菓子屋だよな?」



祈者(きじゃ)は建物の外に出て上を見て、何かを確認している。



 「あの婆さん、駄菓子屋って言ってたんだけどな……ボケてて風呂屋と駄菓子屋を間違えたな……」



祈者(きじゃ)がブツブツ言いながら、再び建物の中に入ってきた。



「おかしいなーー、ここの婆さんはもういないはずなんだけどなーー」



あたしと祈者(きじゃ)はバッタリと目が合った。

 

 前々から遠目で見たことが何回かあったが、ここまで近くで見たことがなかった。

一見すると、白いランニングシャツに、青ベースで白の縦線があるトランクスを着た、おっさん。

ただの変質者にしか見えない。

 

 祈者(きじゃ)は、あたしを見るとニヤ~と笑った。

その笑いはねちっこく、悪寒が全身に走るのを感じる。



 「こんなところに、お嬢ちゃんが一人どうしたのかな?」



祈者(きじゃ)は上から下まで全身、くまなく見ながら言った。

それに、しきりに手を揉んでいる。

気持ちワリぃ。

ねちっこい笑顔のおっさん・(たぶん)汗の蒸気、気持ち悪いペアが揃ってしまった。

すると祈者(きじゃ)は、ん? という顔になり、残念そうな声で、



 「兄ちゃんか?」



このおっさんといい、あそこに寝てる変態といい、なんなんだ?

あたしのどこを見たら男と勘違いするんだ?



 「女だよ! ぶっ殺すぞ!」

誤字脱字があれば教えてください。

明日も一話分投稿しようと思ってます。

引き続き、読んでいただけると嬉しいです!

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