8 夜が明ける
続きです!
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「フシューーフシューーフシューー」
耳元で、鼻息なのか口息なのか分からない音が聴こえる。
身体中がゾクゾク・ゾワゾワする。
きっとネット動画にあるASMR動画も、ここまで再現はできないだろう。
「バゥ! バフゥゥゥゥゥ!!」
犬型怪物が吠える。
「わぁぁぁぁぁぁ!!」
俺は叫ぶ。
「アァアァァマァァマァァ!!」
イケメンも共鳴するかのように吠える。
家全体が音によって振動するのが分かる。モンスター映画の一シーンみたいだ。
顔全体が犬型怪物の唾液で洗われる。急いでこの場を離れたいが、立ち上がれない。腰が抜けたようだ。
そりゃそうだ。あんなに迫力ある咆哮を目の前で見たんだ……。
(マジかマジかマジか! 俺の腰は赤ちゃんかよ!)
日ごろから腰を鍛えていなかった自分を呪った。
迫りくるイケメン、今すぐにでも飛び掛かってきそうな犬。
どうすればいい? どうすればーーーー!?
絶望的な状況下で、突然救いの女神は微笑みかけた。
俺のことばかり興味があった犬型怪物が、突然、イケメン怪物に興味を示したのだ。
犬型怪物は、頭を回転させながらイケメン怪物をガン見している。
(やっぱりイケメンは目立つんだな……)
俺は、無理やり納得した。
天井にぶら下がっていたイケメン怪物が二階に降り立った。
その瞬間、犬型怪物が駆け出したと思ったら、イケメン怪物の『光』に噛みついた。
「マァァアマァ!?」
イケメン怪物は突然のことでパニックを起こしたようだ。
暴れ狂い、噛みついている犬型怪物ごと『光』を壁や床中に叩きつける。
犬型怪物も負けじと『光』から離れない。
(頑張れ! 犬!)
俺は喰らいついている犬型怪物に、心の中でエールを送ると、お尻を引きずるように移動した。
なるべく、怪物たちから離れたい一心で一番奥にある部屋の前まで移動する。
部屋のドアを開けたいが、腰が抜けているせいで、上手くドアを開けることができない。
なんとかドアを開けようとすると、
“バーーン!!”
突然、ドアが壊された。
部屋の奥を見ると、壁に犬型怪物が張り付いている。
どうやら、イケメン怪物にドアごと吹き飛ばされたようだ。
(犬がここにいるってことはーーーー!!)
すぐ後ろを振り返ると、イケメン怪物は息を切らして仁王立ちしている。
よく見ると、手に光る物を持っている。
それは、『光』が連なって一本のこん棒のようになっていた。
(なにそれ自由自在じゃん!)
もうイケメンに対抗できるヤツがいない。ボディブレードは手放してしまった。どうすればいい。
思考が駆け巡る。そんな俺を気にすることなく、イケメン怪物は動き出した。
「アァアアア!!」
手にある『光』のこん棒を壁に向かって、振り下ろした。
“ドーーーーン!!”
大きな音とともに、壁に大きな穴が空いていた。
暗い二階に、日の出の光が大量に差し込む。
“チュン、チュン、チュン”
小鳥がさえずる声がする。壁に空いた大きな穴から漏れる光が眩しい。
今まで、日の出の光景は何回も見たことあるけど、この日の出は生涯忘れないだろう。
イケメン怪物は、俺に気にすることなく、日の光に向かって飛び出した。
「朝帰りですか……」
長かった夜がようやく明けたことを確信した。
誤字脱字があれば教えてください。
今日も2話連続投稿しようと思ってます。次は夜19時くらいを目安にしてます。
トウカの長い一日目の夜もこれで、終わりです。次話からさらに新たな展開に発展していきます!
引き続き、読んでいただけると嬉しいです!




