畏怖の森
「おーい、二人とも～」
「あっ、エイルさん来てくれたんですね」
「うん、僕自体死神にやられて終わってたし、久しぶりに２人とパーティー組んでみたかったから」
「じゃあ、エイルさんも来たし早く畏怖の森に入ってみようよ。死神がいつまでいるか分からないし」
ルーンとシルクは畏怖の森の入り口でエイルと待ち合わせをして合流するとチート死神を探すためにさっそく森の中に入ってみることにした。
畏怖の森はその名の通り昼間なのに森の中は薄暗く、モンスターもゴースト系が多いので若干のホラー要素を持っているマップになっていた。
「エイルさん、死神いましたか？」
「いや、それらしきモンスターは見当たらないかな。容姿は普通の死神と一緒だから分かりやすいはずなんだけど…」
「チート死神が出たって話があったからここのマップにいる人も見ませんし、それが余計不気味ですね」
「とりあえず、２人は回数制限がある魔法やスキルは今はあまり使わないで雑魚はやれるだけ僕の弓で倒すから」
エイルの言葉にシルクはうなずき了承の意思を示すと、２人は警戒しながら森の奥に進んでいった。
「ここら辺まで来てもいないなんてもう他の場所に行ったのか、デスポーンしたんじゃないかな？」
「それは無いと思いますよ。この言いあらわせない嫌な空気、前に死神と対面した時と同じ感じがします」
「それはここがホラーマップだからじゃ…」
「「ぎゃぁぁぁーーー！」」
シルクとエイルは突如静かな森の更に奥から聞こえてきた男２人の叫び声を聞いて驚いた。
「な、何？」
「まだこのマップにいたプレイヤーか、僕たちみたいにチート死神を倒そうとしたプレイヤーの叫び声か！」
「とりあえず、森の奥に行ってみましょう」
「こっからはかなり警戒して、出来るだけ強力な魔法を使える様に一瞬も油断しないようにね」
シルクはエイルに言われ、自らとエイルにバフをかけて使えそうなアイテムも使った。
「よし、準備出来ました」
「じゃあシルクちゃん、ルーンちゃんに言われた作戦通りにやってみようか」
「はい、今回は私たちの手で倒せる確率は低いのでルーン主体の作戦になって残念ですけどしょうがないですよね」
「あはは、まぁ今度死神が出たらこの作戦に頼らない様に対策しないとね」
シルクとエイルはそんな話をしながら警戒して森の奥に入っていくと死神が目と鼻の先にいた。
「エイルさん、こっちはまだ気付かれて無いですしどうします？」
「一気に攻撃しよう。死神は攻撃力にステータスが偏ってるから防御力はそこまで高くないはず」
「分かりました【レヴィアタン】」
「【紅蓮弓】【光陰の矢】【ジャイロスナイプ】」
シルクとエイルは死神の隙をつき、強力な攻撃を放つも死神はそれに耐え２人のことを認識した。
「やばい、認識された。ぐはっ」
「シルクちゃん、これでい…ぐはっ」
エイルとシルクのHPは一瞬にして０になりそれぞれ光となって消えてしまった。
