第2回イベント終了
リリスを倒してからルーンはジャングルでプレイヤーを1人ずつ闇討ちしていった。前回のイベントで上位10%のプレイヤーしかいないため、一撃で倒すことが困難なこともあったが武器や防具のスキルを駆使して戦っていた。
「ぐわー!」
「ふう、この人は結構ポイント持ってたしすぐに倒せたのはよかったけど、もうリリスみたいなのは正直嫌だな」
ルーンは軽く愚痴をこぼしながらも、次に来るプレイヤーを奇襲するため木の陰に隠れた。
(誰か来た、いける!)
「【ダブルスラッシュ】」
「【アイスシールド】」
ルーンの奇襲に動じることもなく氷の盾でルーンの攻撃を止めたのは、火山を一瞬で凍らせて見せたフィアだった。
「あ、フィアさん…でしたか…」
「あらあら、ルーンちゃんじゃないですか。こんな所で奇襲を仕掛けてるなんて、私じゃなかったら間違えなくその攻撃当たってたよ」
「あの…すみません…」
「ん?いいのいいの気にしないで怒ってるつもりはないから、それにルーンちゃんの攻撃じゃ私は倒れませんから」
ルーンはフィアに戦意が無いことを理解し、ホッとしているとフィアが驚いた顔をしていた。
「ルーンちゃんって結構強かったのね。もちろん私があげたポイントも含まれてるだろうけど上位には入れるポイントじゃないのかな」
「そんな、だってフィアさんのポイントなんて私のポイントと比べものにはならないくらい多いじゃ…」
「まぁ、私はトップを張り合う位に強いから比べる基準にはならないかもだけどルーンちゃんより高いポイントを持ってるプレイヤーは見てないよ」
ルーンはフィアにそう言われ、今までのことを思いだすとチェインとリリスとフィア以外に自分より高いポイントのプレイヤーに遭遇した記憶がなかった。
「確かにそうですね」
「まぁ、順位については後々分かるから置いといて、後少しだし一緒に行動しない?」
フィアの誘いに少し驚いたが残り5分をきったイベントでこれ以上ポイントを無理してポイントを取りにいく必要の無いことに気付きルーンはフィアの提案をのんだ。
少し時間が経ち2人でジャングルを歩いている時、ルーンは疑問に思っていることを聞いてみた。
「あの…そういえばフィアさんはなんで私と一緒に行動しようと思ったんですか?後ろから私が斬りかかろうとすれば出来ると思いますけど…」
「簡単だよ。ルーンちゃんに私を攻撃する理由なんて無いに等しいもん」
「どういうことですか?」
「だってルーンちゃんはこれ以上無理してでもポイントを手にいれようってタイプじゃないだろうし、それに私なら1分以内にあなたを倒せるからかな」
ルーンはこんな状況でも余裕で冷静に相手の実力を判断しているフィアに見透かされている気分になった。
「そんな雑談をしているうちにもう終了の時間みたいだし、ここでとりあえずお別れかな」
「そうですね。ゲーム内であったら今度は私で良ければ一緒にレベル上げでも行ってもらえませんか?」
「良いよ。時間があったらそうしよっか。それと私としてはタイマンもやってみたいけど良いかな?」
「ははは…あまり期待しないでくださいよ」
ルーンとフィアはそんな感じで社交辞令にも思える会話をしながらイベントが終了するまで2人でジャングル内を探索していた。




