黒翼の悪魔1
ルーンがチェインと対峙している頃、シルクはというと箒に乗りながら上からプレイヤーを魔法で攻撃をしていた。
「上から魔法を撃てるから結構便利だけどっ、やっぱり下から魔法とか弓で攻撃してくる人はいるからなぁ」
「【ファイヤーバレット】【ライトタワー】」
「でも避けるのは楽だし高く飛べばその分さらに避けやすいからっ、箒があって本当に良かったぁ」
シルクがそう言いながら攻撃を避けながら魔法を撃っていると、遠くから何かが自分の方に向かってくることに気づいた。
「な、何あれ?」
「【シャイニングランス】」
「うわぁっ」
「ありゃりゃ、外しちゃったか。でも、一瞬で空を飛んでいる珍しいプレイヤーを倒しちゃ配信映えしないしね」
シルクはいきなり狙われ驚きバランスを崩しかけたが黒い翼と角が生えている金髪ツインテールの少女が余裕そうに一人言を喋ってる内に立て直すことができた。
「な、何なんですか。あなた、プレイヤーなんですか?」
「プレイヤーに決まってるじゃん。こんなに可愛いNPCがいるわけ無いでしょ」
「いや、でも空を飛べるプレイヤーなんて私は知らなかったんで…」
「ふーん、まぁ良いか。あなたとは少し話したいし、とりあえず下にいるプレイヤーなんとかしない?」
少女の上のポイントを見るとシルクの30倍以上のポイントをもっていることに気づいたが少女の槍よりも自分の方がリーチがあるためここは少女の提案にのることにした。
「分かったよ。それまではお互い攻撃しないってことで良いんだよね」
「オッケー交渉成立。じゃあ、さっそく殺っちゃいましょうか。出てきて下僕ちゃん達【中級悪魔召喚】」
少女がそう言うとシルクとの間に5体の人型の黒い身体をした悪魔が出てきた。
「じゃあ、下僕ちゃん達はここにいるこの箒に乗ている人以外を倒してきてね」
「悪魔達が…あの女の子の指示を聞いて動いてる…」
「ほらほら、あなたも倒さないとポイント入らないよ」
「あ、うん。【ファイヤーバレット】【ライトランス】」
シルクと悪魔と悪魔のような少女との共闘はかなりハイペースで進み、ほんの数分でほとんどのプレイヤーを片付けてしまい、倒せなかったプレイヤーも逃げていってしまったものばかりであった。




