キラーフィールド4
「あなた、誰ですか」
「ん、俺?そうだな…まず、君が名乗ってよ」
「私はシルク、見ての通り魔法使いですよ」
「俺の名前はチェイン、【全武装】って二つ名だ」
シルクはその二つ名を聞いて目の前にいる男がエイルの言っていたトッププレイヤーだとピンときた。
「できればあなたとは戦いたくないんですけど、分かってもらえますか」
「いいぜ、俺もここで時間をくうわけにはいかねぇしな。ただし、条件がある」
「条件ってなんですか?」
「このジャングルから出てってほしいんだよね。ここ結構モンスターが出てくるし」
シルクは穏便にこの状況が解決できるのであればそれで良いと思っていたのでチェインの条件をのむことにした。
「分かりました。出ていきます」
「おいおい、なんで歩いてる。箒で飛んで出ていけよ、それともクールタイム中か」
「見ていたんですね。まぁ、知られてるなら箒で堂々と出ていかせてもらいますよ」
シルクはチェインに箒の存在を知られていることを知り、少し悔しそうにその場を去った。
「へぇー、珍しい。装備じゃなかったんだあの箒、装備だったら俺がコピーできたのに残念だな」
シルクはジャングルと草原の境目で箒から降り、草原でモンスターを狩ることにした。
「はぁ、箒の存在をトッププレイヤーに知られたのはまずかったかな」
「まぁ、どうせこのイベント終わったら話題にはなってただろうし、情報的な問題はそこまでないけど…」
シルクは色々考えながらも近くにいるモンスターを倒し、着実にポイントを稼いでいた。
「ボスレベルのモンスターも何匹か見えるし、もう3時間経過したってことか」
「何人かボスに群がってるみたいだし、頃合いみて参加してポイント横取りするって感じかな」
「それまで他のモンスター倒してれば良いかな」
シルクはゲスいともとれる作戦を実行し、草原にいるモンスターを倒してボスクラスはポイントだけもらい、追いかけてくるプレイヤーがいれば箒で逃げるを繰り返した。
「もうすぐ時間的にも折り返しになるし、ここから本気でやらないといけないな」
「「「待てーこのポイント泥棒ーー!」」」
「やばっ、さっきポイント横取りしたところにいたプレイヤーたちじゃん」
シルクはここに敵にまわすプレイヤーが多くなったことを感じ、草原の奥にある砂漠地域に向かった。
「とりあえずここまで来ればどんだけ足が速くても追い付けないだろうし…ん?」
「運営からメール?なにか不具合でもあったのかな?」
「えっ、これって…運営も考えたねぇ。まぁ、私はこっちのルールの方がやりやすいから良いけど」
シルクは運営からのメールを見て書かれていたことを理解し、今の作戦を変えることにした。




