キラーフィールド2
ルーンは森を抜けるとそこにはマグマが流れ、溶岩湖が周りを囲んでいる火山があった。
「森より北なのにマグマに溶岩、まさか火山ステージがあるなんて想像もつかなかったよ」
「それに、森を出たすぐ目の前に火山があるのは現実じゃ絶対にないからゲーム内で見れて少し得した気分だよ」
「それじゃ、気を取り直してここで少しの間モンスターを狩ろうかな」
ルーンはそう言うと火山を登り周りの状況を確認し、モンスターを狩ることにした。
「ふぅ、結構登ったけどもうすぐ頂上かな?」
「1時間経ってモンスターもちょくちょく強いのが出てきてるし、厄介になってくるなぁ」
ルーンはそう言いながらモンスターを倒しつつ、火山を登り頂上に到達した。
「着いたけど、ここからじゃ火山の煙りとか周りの蒸気でそこまで遠くは見えないなぁ」
「とりあえず、西にギリギリ見える荒野みたいなステージ次は行ってみようかな。モンスターも多いだろうし」
ルーンはそう言って火山を降りようとすると、下の光景がとんでもないことになっていることに気がついた。
「溶岩が…凍ってる…」
「はっ…」
ルーンが見たのは凍ることの無い溶岩が凍っていて、辺り一面が白く雪で覆われていた。その時、ルーンはエイルに教えてもらったトップ8の情報を思い出した。
「ベータ版大会第二位の【絶氷の女王】…」
「誰かー上にいますかー。いるなら返事してくださーい。今から魔法撃つので巻き込まれちゃいますよー」
「へっ、あ、はーい」
ルーンは【絶氷の女王】からの突然の呼びかけに反射的に反応してしまい、ここにいることがバレてしまった。
「じゃあ、降りてもらっていいですかー。死んじゃいますからー」
「はーい、分かりましたー。ちょっと待ってもらっていいですかー」
ルーンはもうバレていることを開き直り、相手が気を使ってくれていることを考えて信じてみることにした。
「あっ、わざわざ降りてくれてありがとう。あなたが最後だから…」
「あぁ、お気になさらずあなたの魔法をくらう方がよっぽど大変なことになってたと思うんで、それじゃあ…」
「あっ、ちょっと待って」
「えっ、なんですか?」
「いや、私の知り合いに顔が似てたから。少し気になっただけ…あなた名前はなんて言うの?」
ルーンは突然のことに少し戸惑いながらも、素っ気なく質問の答えを返した。
「ルーンですけど…」
「私はフィア、【絶氷の女王】なんて良く呼ばれるから分かると思うけど」
「あっ、はい。知ってますよ」
ルーンは多少イメージとは違ったものの、腰まであるウェーブのかかった水色髪に大人びて落ち着いた雰囲気を出している彼女を見て、二つ名も納得することができた。
「ちょっと私の魔法見ていってよ。もちろん倒したモンスターのポイント少し分けてあげるから」
「いや、別にそんなことしてもらわなくても…」
「大丈夫、私余るほどポイント持ってるし、いくよ!」
「すぅー【絶対零度】」
フィアがそう言った瞬間辺りが冷気に包まれ、一分もしない内にルーンがさっきまでいた火山を凍らせてしまった。




