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その力を使って…

ルーンはいきなり増えたスキルに驚き、動揺していたがすぐに我にかえりスキルの内容を確認した。


【シャドウカッター】

前方20メートルまで斬撃波が飛ぶ攻撃スキル

この斬撃波は物体(プレイヤー、モンスター含む)をすり抜け、20メートル先で斬撃波が消える。


【影隠れ】

発動時に障害物またはプレイヤーの影の中にいる時、他のプレイヤーとモンスターの視界に写らない。

ただし、影から出た場合この効果は消えてしまう。


【影狼王の加護】

影狼を最大8体まで召喚することができる。この影狼の強さは使用者のレベルに依存する。ただし再度使用する場合、前回使用した時に召喚した影狼は消滅する。

クールタイム:2時間


「これって…」


「その指輪は神である妾の様な存在以外が他人に与えることを許されない代物じゃから大切にあつかうがよい」


「そうじゃなくて、こんなアイテムが存在してて良いんですか。この指輪はゲームバランス壊しかねないですよ」


「良いんじゃ、良いんじゃ。実際、お主以外にもこれに似たものを持っている人間もおるじゃろ」

ルーンはその話を聞き、エイルから聞いたトッププレイヤー達のことを思い出した。


「まぁ、それはどんなスキルにも適用できる訳でもないからな。でも、今回のスキル取得で大体どのスキルに適用できるかもわかってしまったじゃろうがな」


「はい、それでこの指輪と同じようなものを他人に与えられる存在はどのくらいいるんですか?」


「まぁ、そんなに数はおらんが妾の力を込めたその指輪を使うということは他の者に負けるなんて許されんからな」


「えっ?それってどういう意味なんですか」

ルーンの当然の疑問ににツクヨミはくすくす笑いながら意味ありげに答えた。


「それはその内分かるであろう。今は気にするな」


「そう言われると余計気になるんですけど」


「では、お主はなぜこの世界に身を置こうと思った?」


「私は…今はこの世界を楽しみたい。その後は現実で叶わなくなった夢をここで叶えたい」


「なら、お主を悪い様にはしないことを誓おう。楽しみにしておくがよい」

ルーンの目にはそう言いながら今度は優しく笑っているツクヨミの顔がうつっていた。


「まぁ、それまで時間もあるしまだまだ決まって無いことも多いから妾にも詳しいことは分かってないのじゃがな」


「そんなこと楽しめって言われましてもねぇ…」


「伝えることも伝えたし、これで今日は終いじゃ。また、しばらく会えんだろうから頑張るんじゃぞ」


「えっ、ここに来たらいつでも会えるんじゃ…」


「当たり前じゃろ、妾じゃってこれでも忙しいんじゃ。お主の様な客人の相手をする時間もほとんど無いからな」

ツクヨミがそう言うとルーンの視界が少しずつゆがみ、正常に戻った頃には建物の外にいた。

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