月夜の光4
ルーンはツクヨミにワープをさせられ、真っ暗な空間に来ていた。
「ここは妾の力を制御するために妾ご作った空間じゃ。お主も妾の部屋に来る前に通ったじゃろ」
「ここで闘うのかぁ…地面がデコボコで走りずらいからここでは闘いたくないよ」
「そんなこと関係ないじゃろ。さっさとはじめるぞ」
「分かりました。じゃあ、はじめ…うぐっ」
ツクヨミはルーンが何か言い終わる前に持っている紫色の剣で斬ると、ルーンのHPを一瞬で1にした。
「ふふ、妾の前で武器も構えんと棒立ちしとるから簡単に斬れたわ。まぁ、一撃で終いというのも味気ないからみねうちじゃがな」
(やられた。油断してたのもあるけど、目で追えないほど速い動きだった。これじゃ構えてても避けられたか分からない)
「ほれ、お主も攻撃してみろ。まぁ、お主が攻撃したところで妾にはとどかない攻撃じゃろうがな」
「なら、始めから全力でいく【影分身Ⅰ】【加速】」
ルーンはポーションでHPを全回復して、【影分身Ⅰ】で自分を分身含め4人に増やし、AGIを強化してツクヨミに攻撃を仕掛けた。
「遅いぞ。お主の全力はその程度なのか」
「なら、【透明化】【ダブルスラッシュ】」
「ん?お主、今何かしたのか?」
「な、なんで【透明化】したはずなのに」
ツクヨミはルーンの【透明化】をいとも簡単に破り、分身の3体を剣で斬り倒した。
「ほれほれ、まだお主は攻撃出来るじゃろ」
「じゃあ、お望み通り【ダブルスラッシュ】」
「はぁ、やっぱり期待ハズレじゃったかの?妾ならこんなの目をつぶっても避けられるぞ」
ツクヨミはルーンの攻撃をひらひら避けながら、距離をとって持っている紫色の剣を地面に刺した。
「な、何?」
「さっさと、これでお主を葬りさってやろう」
ツクヨミが剣を地面に刺したところからどんどん真っ黒になっていきさらには地面から黒い手が現れた。
(ヤバイヤバイ、これはもう回避のしようがない)
「お主が殺めた妾の下僕達の怨念で作られた地獄じゃよ。これにのまれて一生後悔するが良いぞ」
(ダメだ、もう勝ち目は無いみたいだよ。もう、どんな方法を使ったところでこれのダメージは耐えられない)
ルーンは諦め目を閉じ、じわじわ迫るツクヨミに攻撃を回避しようとせずその場に倒れこんだ。
「やられ…ちゃったか…」
ルーンが目を開けるとそこは町の中でも、【月狼の洞窟】でもなく、ツクヨミと闘っていた空間だった。
「な、なんで?今、お主は妾の攻撃にのまれたはず…っ」
「えっ、ど、どういう…」
「ははは、そういうことか。妾はお主を勘違いしていたようじゃな。仕方ない、ここに書いている場所に明日の19時に来るがよい、さすれば真相を話してやろう」
「それこそ、どういう意味なの?」
ルーンがそう言うと、ツクヨミはルーンに持っている紙を渡し、指パッチンをしてルーンをまたワープさせた。




