訴え
2人とアチェは掃除を終えたことをあるじ様に報告しに行くとそこには机で寝ているあるじ様がいた。
「あるじ様、あるじ様、掃除終わりましたよ」
「え、あぁ終わったの?ありがとう。じゃあおやすみ」
「おやすみじゃありませんよ。掃除が終わりましたからこの2人の話を聞く約束ですよ」
「はいはい分かってるって、じゃあアチェ、部屋まで連れてって」
そう言ってあるじ様は小さいアチェにもたれかかり、アチェの小さな身体で大きいあるじ様をやれやれと言いながらさっきまで汚部屋だった部屋に運んだ。
「ありがとうアチェ」
「ありがとうじゃありませんよ。これくらいの距離自分で歩いてください」
「はいはい、で、私に話って何なの?」
「その前にあなたはアイドロさんですか?」
「うん、そうだね。私の名前はアイドロだけどそれがどうしたの?」
それを聞いてシルクはとりあえずクエストの内容であることが分かりホッとした。
「単刀直入に言います。あなたの師匠に聞きました。師匠のお弟子さん達がおかしくなってしまったこと、だから私たちと協力して戦ってください」
「え~めんどくさいからムリ」
「へ、私が言ったことの意味分かってます?」
「分かってるよ。あの婆さんの弟子たちを正気に戻したいって話でしょ」
シルクはアイドロが自分の言いたいことを理解した上であっさり断ったことに苛立ってしまった。
「なんでですか。あなたと共に同じ師匠のもとで修行した仲間じゃないんですか」
「これ以上しゃべるのはめんどくさいから…あっそうだ、ほらアチェあの本を見せてあげて、あとあれをこの子に渡しといて」
「わかり…ました。あの本とあれですね。で、ではお二人ともこちらへ」
アチェは少しひきつった顔をしながらも、2人を本がたくさん並んでいる部屋へと案内した。
「ここは…書斎ですか?」
「はい、あるじ様の書斎です。あの人はいろいろな本を読んでいましたから…あっ、ありましたこれです」
そう言ってアチェはルーンには古びた本を、シルクにはホコリの被った首飾りを渡した。
「そこにあるじ様と他の6人のお弟子さんが行った禁術について書かれています。それと…この首飾りは…」
「だいぶ古びた首飾りみたいですけど、何かあるんですか?」
「いえ、何でもありません。詳しくはその本に書かれていますが、私がその内容を少し説明しましょう」
「はい、お願いします」
そう言うとアチェは真剣な表情になり深い息を吸うと、ルーンに渡していた本を開いて話を始めた。




