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あるじ様

シルクは少女の後をついていきあるじ様がいるという町の中心街の裏道にある小さな家の前に来ていた。


「あるじ様に会いたいならこの入り口から入れば会えますからこれからは自由に入って良いですよ」


「分かった。でも、その前に友達に連絡させてもらうよ」

そう言ってシルクはルーンに自分のいる位置をメッセージで送り、その場でルーンが来るのを待った。


数分経ち、ルーンがシルクのいる裏道につき合流した2人は目の前にある扉を開けようか悩んでいた。


「これ…開けたらすぐに戦闘みたいなこと無いよね。私、【透明化】とかもう使えないけど」


「多分大丈夫だと思うよ。少なくとも私が戦った女の子は連戦で戦うレベルの相手じゃなかったし」


「なら良いんだけど万が一戦うようになっても期待はしないでね」


「大丈夫、ルーンはスキル無くても普通に戦力にはなるから」

そう言ってシルクは扉を開けると家のなかは草原などではなく、外観通りの部屋にだった。


「あっ、来たんですね。で、そちらは…」


「さっき言ってた友達だよ。この子はなんか分身する子を倒したんだって」


「あぁ、シンを倒したんですね。まぁ、ならここにいても構いませんが他の人は呼ばないでくださいよ。あるじ様はうるさいのが嫌いですから」


「分かったよ。じゃあ、ここに来る時は私とルーンで来るってことで」


「そうしてもらえるとたすかります。では、あるじ様はこちらの部屋にいますから」

そう言って少女は家の一番奥にある部屋に案内して、その部屋の扉を開けた。


「う、うわぁ…なにこの部屋…」


「と、とてつもなく汚い…」


「あーあ、またですか。全く、部屋に1日こもっているだけでこんなに汚くなってしまうとは」

2人と少女が見たのは扉を境目として、本や食べ物などで散らかって足の踏み場も無い汚部屋だった。


「ん、あぁアチェちょうど良かった。散らかっちゃったから片付けておいてよ」


「分かりましたあるじ様、あとこちらはあるじ様になにか用があるという人たちです。私が片付けている間に話だけでも聞いてあげてもらえると助かります」

アチェと呼ばれた少女と会話しながら汚い部屋から現れてたのはボサボサであるがきれいな長い青髪の女性だった。


「え~、今結構疲れてるからムリ~」


「この人たちは私やシンと対等以上に戦える人たちですから…」


「へぇー、私の魔法人形をそれぞれが倒したのか…でも、話すのはめんどくさいからなぁ」

そんな感じであるじ様は悩んでいると、なにかを思いつきハッとした表情をしてアチェに提案した。


「この部屋の掃除その人たちと一緒にやってよ。そうしたらこの部屋で話してあげるから」


「うっ…わ、分かりました。おふたりはそれで良いですか?」


「まぁ、それで話聞いてもらえるなら」


「はぁ、しょうがないかぁ。シルクのためだし頑張ってみようかな」

そう言って、アチェと2人はあるじ様と入れ替わるように汚部屋に入り片付け始めた。






2人はゲームでやるとは思っていなかったであろう汚部屋掃除を1時間以上行い、やっとのことで部屋全体を片付けることができた。


「ふぅ、やっと片付けられたよ」


「まだ、1日しかこもってなかったから全然マシですよ」


「これ以上が日常ってことはあの人はなかなかだらけた生活を送っていたんですね」


「以前はそんなことはなかったんですが、やっぱり厳しい環境で育った人でしたからその反動なんでしょう」

2人は寂しそうな顔をしながら話しているアチェを見て少し触れてはいけないものに触れてしまったように感じた。


「あっ、そういえば気になったんだけどなんで敬語でしゃべってるの?さっきまではにくったらしい感じのしゃべり方だったのに」


「それは昔あるじ様に言われたからです。自分が認めた人には敬意を払い、敬語で話せと…」

2人はなんとなく重くなっていく空気を察して、2人はアチェとあるじ様を呼びに行くことにした。

ルーンと3話前戦闘をした少年がシン、シルクと前回まで戦闘をしていた少女がアチェとなっています。

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