弓使いの少女
「【ファイヤーショット】【スピアーショット】」
「あぶなっ、距離をとらなきゃ速すぎて当たっちゃう」
「【ライトニングスナイプ】」
「よし、避けられ…うわっ」
シルクは矢を避けることができたと思った瞬間、箒が制御出来なくなり暴れ馬のような状態になってしまった。
「ふふ、上手く引っ掛かってくれましたね。下の草原を【ファイヤーショット】で燃やして上昇気流を作ったんですよ」
「くっ、そういうことね。火属性を使わないようにしてたのに良いようにやられちゃったよ」
「あーあ、こんなんじゃすぐに気流はおさまっちゃうか。倒されてくれたら良かったのに」
シルクは少女の策に引っ掛かったものの気流は短時間で収まったため、振り落とされずにすんだ。
「じゃあ、正攻法で倒そうかな【ホーミングスナイプ】」
「なにこれずっとついてくるんだけど、ぐっ」
「自動追尾のスキルだよ。まぁ、追尾する距離が長いと威力は小さくなるけどね」
「そういうことね【ハイヒール】【ハイヒール】」
シルクはダメージを受けてしまうが、すぐに削れてしまったHPを回復して体勢を立て直した。
「じゃあ、こっちも【ファイヤーバレット】」
「うわっ、今のは危なかったけどたいした威力じゃないね」
「それが何か【ファイヤーバレット】【ファイヤーバレット】【ファイヤーバレット】」
「そんな数使ったって当たらなきゃ意味ないし、当たってもダメージはほとんど無いから意味ないよ」
シルクの攻撃はことごとく少女にかわされているがシルクは不自然なくらい余裕があった。
「さぁ、お遊びはここまでにしてもう決着を…っ」
「きずいたみたいだね。私はあなたを狙ったんじゃない。あなたのまわりを狙ってあなたを炎で囲うことが目的だったのよ」
「ふぅん、そういうことだったのか。まぁ、良いよ別にこれくらいの炎すぐに消せるし」
「そうはさせないよ。アイテム:【爆炎の魔方陣】【ファイヤータワー】」
シルクはアイテムを使って火力を限界まで上げて、炎で囲まれて身動きがとれない少女に魔法を直撃させた。
「うわぁぁぁーーー」
「手加減されて勝てない方が恥ずかしいし、せっかくヒントをもらったなら使わないとね。で、でもかなり豪快に焼いちゃったけどあの子大丈夫かな」
シルクがそんなことを心配していると、背後からの気配を感じうしろを振り返った。
「ふぅ、さっきの攻撃はやばかったよ。まぁ、約束通りあるじ様の所には連れていってあげるよ」
「えっなんで、あそこで私の魔法受けたんだよね」
「受けたけどまぁ死ぬような攻撃じゃなかったし、あれならあるじ様も話くらいは聞いてくれると思ったから」
「え、えぇ」
シルクは確実に倒せたと思っていたため簡単に対処されたことに驚き、声がでなかった。
「とりあえず、あるじ様の所に行くんでしょ。連れていってあげるからついてきて」
「わ、わかったけどちょっと待って、友達からメッセージがきてるから」
そう言ってシルクはルーンからのメッセージを読み、またしても驚いた。
「えっ、あのクエストってアイドロさん関係だったのか。ルーンにやってもらって正解だったよ。とりあえず、ルーンにも場所がわかったら合流してもらおう」
そう言ってシルクはルーンにメッセージを送ると少女のあるじ様の元に向かうのだった。




