不思議な少女
シルクはルーンにクエストを受けさせた後、自分は2層の町でアイドロを見つけるためにルーンとは真逆の方角にいた。
「ここで見つかればいいんだけど…」
シルクは今まで探していた地域とはあえて反対の方向に行き、情報が無いか探すことにしていた。
「とりあえず、住宅街の方から探してみますか」
「お姉ちゃん、誰か探してるの?」
シルクが捜索を開始しようとしたとき、NPCの少女に話しかけられた。
「青いローブの魔法使いの女の人だよ。何か知ってることがあったら教えてくれる?」
「うん、その人なら知ってるよ」
「えっ、知ってるの」
シルクはこのタイミングでNPCが話しかけてきたことに違和感を感じ、アイドロのことを聞いてみると案の定知ってるようだった。
「だって、私のあるじ様だから」
「へぇー、じゃあその主様に会わせてくれないかな?」
「んー、それはダメだよ。だってあるじ様は強い人じゃないと時間の無駄だって言うもん」
「じゃあ、強いことを証明すれば良いってこと?」
「ふふ、そういうこと。ついてきてよ」
少女の言うとおりにシルクは少女の後をついていくと、なんの変哲もない民家の前で少女は立ち止まった。
「この家の中で私と戦ってもらうから」
「こんな小さな家で戦うの?」
「まぁ、外観は小さいけど中は広いよ」
そう言って少女は民家のドアを開けると、中は広い草原のようなフィールドが広がっていた。
「うわー、広いし何にも無い」
「ここでならあなたの力も出したいだけ出せるでしょ」
「確かに周りを気にしなくていいのはありがたいよ」
「お礼をするって余裕みたいだね。準備ができたら話しかけてよ」
「じゃあ、もう始めよ。私は準備できてるから」
シルクがそう言うと少女は自分の身体ににあわない大きな弓をだして構えた。
「よし、それじゃあ勝負開始だよ」
「さっそく、【ライトランス】」
「ふっ、あなたの魔法あるじ様に比べたら全然遅いね」
「あぁ、そうですか【ライトタワー】」
少女は大きな弓を持ちながらシルクの魔法を軽々かわすだけで攻撃を仕掛けてこない。
「【ウォーターホーミング】【ライトホーミング】」
「よっと、こんなんじゃ当たらないよ」
「なら、【ウォータータワー】【ライトランス】」
「はぁ、期待外れだよ【トリプルアロー】」
少女の冷たい一言の後に放たれた3本の矢がシルクに向かって飛んでいくがシルクは箒に乗りギリギリで避けられた。
「へぇー、そんなアイテムを持ってたのね。なら、もうちょっと見てみようか」
「はは、余裕過ぎるでしょ。さすがの威力だよ」
シルクは少女のスキルの威力を見て焦りつつも、冷静に相手を見ること集中することにした。




