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小さな師匠

シルクはルーンを目的の古びた家に連れて行くとそこにあるクエストを受けるように言った。


「ルーンにぴったりのクエストだし良いと思うから受けてみてよ」


「シルクは受けないの?」


「クエストを受ける条件を満たしてないんだよ。だから、クエストを受けられるルーンに受けてほしいってこと。じゃあ、私は他のところ調べるから」

シルクはルーンにこう言うとアイドロ捜索の続きをするために他の場所に行ってしまった。


「あーあ、シルクも行っちゃったしクエスト受けるしかないのか」


「でも、シルクは昨日のことを気にして私に合ったクエストを選んだんだろうし、頑張ってみるとしますか」

ルーンはそう思いながらクエストがあるという古びた家に入ってみることにした。


古びた家は外観と同様に内装もホコリをかぶっているような廃れた感じがしていた。


「こんなところにクエストなんてあるのかな」


「にしし、お姉ちゃんこんなところで何してるの?」


「だ、誰?って、ちっちゃい男の子か驚かせないでよ」


「確かに身長は小さいけど、お姉ちゃんにはこんなことは出来ないでしょ」

男の子はそう言うとなにかを唱え始め、男の子が2人3人と増えていき、唱え終わる頃には10人近くまで増えていた。


「「「「「ふふん、すごいでしょ」」」」」


「確かにすごいよ。それって、どうやったら出来るの?」


「よっと、教えてあげてもいいけど僕の弟子になってよ」

ルーンは少し鼻につくと思いつつも、クエストだろうと思い我慢した。


「わかったよ。君の弟子になるよ」


「よーし、じゃあついてこい」

男の子はルンルンとして奥の部屋に消えていくと、ルーンの頭のなかでピロンという電子音が鳴った。


『クエスト【小さな師匠】を受けました』


「よし、やっぱりクエストだったんだ。となると、手に入れられるのはあの分身系のスキルってことだね」

ルーンは簡単に予想をしてから、男の子が消えて行った奥の部屋に向かった。


奥の部屋はひろびろとしていて、その真ん中に男の子が立っていた。


「まずはこの絵を見て、この中から本物のモンスターを当ててよ。ちなみに間違えたらそのモンスターを出しちゃうから注意しろよ」


「へぇ、案外難しいけど分からない問題じゃないよ」

ルーンは持ち前の暗記能力で通常モンスターを覚えていたため、簡単に全問正解することはできた。


「まぁ、こんなのは簡単にできてもらわないとね。じゃあ、次は今から僕が分身するから本物を当ててみてよ」


「えっ、ちよっとまっ…」

ルーンが動揺している間に男の子は10人に分身して見分けがつかなくなってしまった。


「本当に見分けがつかないのか…じゃあ、あてずっぽうでも当てるしかないか」

実際この問題は本当に見分けがつかないため、運で当てるしかないのであった。


「君が師匠だよね」


「違うよ」


「じゃあ、こっちが師匠ですね」


「いいや、違うよ」

こんな感じで8回連続で間違えて、最後の二択さえも外してしまった。


「あーあ、こんなんじゃダメだよ。気を取り直して、最後は僕と戦ってもらおうか」


「いいですけど、師匠くらいなら私は瞬殺できちゃいますよ」


「いや、君はさっき9回も間違えてたから、僕はその分分身させてもらうよ」

男の子はそう言うと10人に再度分身して短剣を持つと戦う姿勢をとった。

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