捜索開始
ルーンがショックのあまりゲームをログアウトした後、シルクは1人で2層の町に来ていた。
「エイルさんに青いローブの女の人について聞いてみたけど知らないって言うし…イベントフラグがたたないと見つけられないのかな」
シルクはそんなことを考えながら16等分したマップを今日も一つ一つしらみ潰しに探すことにした。
探し始めてから3時間が経ち、やっと今日の分のブロックを探し終わったがまたしても特に何も情報は無かった。
「あーあ、今日も情報は無しかな」
シルクはクエストやアイテムをいくつか見つけられたものの、それのどれもが特にレアという訳でもなかった。
「はぁ、こんなに広くていりくんでいるマップは他のゲームでもなかなか無いよ」
「ってか、ここまで情報が少ないと本当にこのマップにいるのかも疑問になってくるよ」
シルクはアイドロがまだ実装されていない線も考えたが、すぐにそれは無いという答えに至った。
「でも、まぁ実装されてないならクエストだけ先に実装する必要はないもんね」
「それにまだ2/16しかこの町をまわってないし、見つからないのも当然かもしれないしもうちょっと頑張ってみよう明日学校休みだし」
そう言ってシルクは立ち上がり、もう少しアイドロを探すことにしたがあることを思い出した。
「あっ、ルーンのこと忘れてた。あの落ち込み方は本当に見たことがないからなぁ」
「とりあえず、愚痴くらいは聞いてあげないといけないか」
そう言ってシルクはその日はログアウトして、現実でルーンを励ますことにした。
1日が経ちルーンを励ますことにはなんとか成功して、シルクはルーンと2層の町にもどってきた。
「あー良かった。ルーンがそんなに引きずるようなダメージを受けてなくて」
「いやいや、結構ショックは大きかったしなんなら今も引きずってるよ」
「でも、今日は来てくれたじゃん」
「まぁ、あんな感じになっちゃったけどアイテム集めには協力してもらったし、その恩返しの意味も込めて来たんだよ」
ルーンは少し恥ずかしそうに言っていたが、シルクは普通に嬉しかった。
「で、私は何をすればいいの?もしかしたら、イベントフラグたってないと見つからないかもなんでしょ」
「それなら大丈夫だよ。だってルーンには私の手伝いをしてもらうわけじゃないもん」
「へ、どういうこと?」
「いいからいいから、とりあえずこっち来てよ」
シルクはルーンに何も話すことなく2層の町の端に古びた家に向かった。




