魔法の才能
シルクは昨日、ルーンに言われて思い出した森の小屋にいるお婆さんを訪ねることにした。
「やっぱり、箒が無いと移動は辛いな。まぁ、イベントの動画には私は映って無かったし、隠せるだけ隠したいんだけど」
少し文句を言いながらも、森の中を全速力で走りながらクエストがあることに期待した。
「やっぱり、AGI上げないとダメだ。ルーンの徒歩と同じくらいの速さだし」
シルクは目的地の小屋に着き、かかった時間を見てため息を吐きながらそう言った。
「おやおや、それくらいで弱音を吐くもんじゃないよお前さん」
「あ、お婆さん久しぶりです」
「あぁ、ちょうど良い。お前さんに頼み事をしたいのじゃが、小屋に入ってくれんか」
「分かりました。すぐに行きます」
シルクは内心イベントフラグが起きたことに喜びを感じたが、平常心でイベントをこなすことにした。
「お前さんはそっちの椅子に座ってくれんか」
「えっ、はい。いいですけど」
シルクは言われた通り椅子に座ると、椅子が限りなく白に近い青色に光だしそれを見たお婆さんは納得したような顔をしていた。
「やっぱり、お前さんもあの弟子たちと同じ才能の持ち主であったのか」
「ど、どういうことなんですか」
「私の修行に耐えられたのは7人しかいないという話は前に少ししただろ」
「はい、確かに言ってましたね」
シルクはイベントである事は確信していたが何の話か検討がつかなかった。
「実はその椅子は魔法の才能を測るもので白に近ければ近いほど魔法の才能があるってことなんじゃよ」
「じゃあ、私は才能があるってことですか」
「まぁ、そういうことじゃけどお前さんはその中でもトップクラスの潜在能力じゃな」
「へへへ、そんなに誉めないで下さいよ」
シルクは浮かれながらも謙遜していたが、全く謙遜している風には見えなかった。
「でも、その7人の弟子はそれぞれ精神的におかしくなってしまったんじゃ」
「えっ、それってどういう…」
「簡単に言えば呪われた装備じゃな。本来呪われた装備はかなりの実力が無いと、触るだけで死んでしまうのじゃが弟子たちはそれを完全に使いこなしてしまっているのじゃ」
「使いこなしているならなんの問題もないじゃないですか。どうしてそんなことになってしまったんですか」
シルクはあまりことの重大さに気がついていないので、あっけらかんとしているがお婆さんはかなり困っていた。
「これから言うことは絶対に誰にも言うな。分かったか」
「えっ、あ、はい」
シルクがそう言うと頭のなかでピロンと電子音がなり、クエストの表示がシルクの前に出た。
『クエスト【賢者の修行1】をシークレットクリアしたため、シークレットクエスト【賢者と大罪の呪われた装備1】を受けられます。受けますか』
シルクは迷うこと無くクエストを受け、お婆さんの話を聞くことにした。
なんと、この小説が部門別ランキングで100位以内をとることができました。
これからも頑張って投稿していくのでよろしくお願いします。




