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檻のなかの決闘

「いくぞ!」


「おう!ぐっ…」


「うぐっ…な、なんだこのダメージ…」

2人がお互いに攻撃を仕掛けようとした瞬間、2人同時にダメージエフェクトが出て少量のダメージを受けた。


「あぁ、そうそう。言うの忘れてたけど私の檻にはなかにいる発動者以外のプレイヤーとモンスターは1分毎にHPの1%を凍結させる効果があるんだよ」


「HPの1%を凍結って…どういうことなんですか?」


「う~ん、要するに1分たったら1%、10分たったら10%HPが回復できなくなるってことだよ」

フィアが説明しているのを聞いたあとそれを理解したキョウヤが先制攻撃を仕掛けた。


「なるほど、つまり制限時間は100分ってことか。それなら仕切り直していくぞ!【アクアブレイク】」


「そう来たか!【ボルケーノスラッシュ】」

キョウヤの先制攻撃に対抗してシュウも斬撃スキルを使い、大きな衝撃音を響かせた。


「おぉ、さすが憎しみ合う2人のライバル他の闘いとは気迫が違うね~。あっ、ちなみに私はキョウヤに手を出さないからこっちに攻撃飛ばしてこないでね」


「わかってますよ!ってか、キョウヤにそんな暇与えませんから【ダブルスラッシュ】」


「それはこっちの台詞だ!【ダブルスラッシュ】」


「「ぐっ…!」」

2人はフィアの気の抜けた煽りみたいな言葉に反応したかのように更に大きな衝撃音を響かせたが、それと同時に凍結状態の効果が発動し2人のHPが少し減った。


「この凍結状態、なかなか煩わしいな…」


「そうか?俺は良いと思うぜ。今日はフゥーもライカもいねぇ。2人でとことんやろうや!」


「ほんとあの2人がいないってなるとお前、性格変わるよな。そういうところもムカつくんだよ!」

シュウとキョウヤはお互いにうさを晴らすように暴言をはきながら何度も剣を合わせた。


「はぁはぁ…結構凍結状態でダメージくらっちまってるな…。だが、お互いに相手に1発も攻撃当てられてない…」


「そうだな。でも、今のお前と俺だと持久戦だったら俺の方が有利なんだよ!【不死鳥の炎】」


「バカかよ!俺にお前の炎が通るわけねぇだろ!【リフレクトシールド】」

シュウの盾から放たれた炎はキョウヤを包み込み焼きつくそうとするが、キョウヤはさも当たり前かのようにそれをスキルで反射させて逆にシュウが炎に包まれた。


「これでお前には大ダメージが…っ!」


「大ダメージがなんだって?あいにくながら俺はお前のことを知り尽くしてるもんでこの1ヶ月の間にお前に勝つ方法なんていくらでも考えてきたんだよ!」

炎に包まれたシュウはダメージを受けるどころか自身の炎を剣に吸収させその剣は【不死鳥の炎】そのものと形容できるようなものとなった。

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