2人の死神
「うぅ…ど、どこから現れた!」
「ライカ落ち着いて!とりあえず、体勢を整えて!」
ライカはフゥーに言われ、一旦体勢を整えるためにフゥーのところに戻り、3人と対面する図式になった。
「で、あなたは一体…いや、聞いても答えてくれなさそうだから別に名乗らなくてもいいですけど…」
「いや、私は一応淑女なので名乗らせてもらいます。私の名前はキラリス、全ての死神を統べる死神女王にしてここにいるお嬢様の友人です。以後お見知りおきを」
「死神の女王…つまり、ルーンやアヤメみたいな普通の人間じゃない、魔の者だってことで良いんだな」
「はい、そちらから見てみればそういうことですね」
キラリスはドレスをたくしあげ2人に丁寧に挨拶をすると笑顔で再度大鎌を構えた。
「ライカ、どうする?あの人いや、あの死神女王キラリスさんはあっちの味方らしいよ。3対2になって話が変わったみたいだけどどうする?」
「と、どうするって…戦うに決まってるでしょ!だって死神の女王様だよ!こんなところでGODsと戦えるなんて考えただけでうずうずしてきたよ!」
「はぁ~、ライカならそう言うと思ったよ。でも、さすがにGODsでは無いと思うよ。それなら今頃私たちはあの黒い大鎌で微塵切りだろうし多分人型クラスでしょ」
「隙を見せすぎですよ!【ダブルスラッシュ】」
ルーンは話している2人の背後に回り込み、短剣で斬りつけようとしたがギリギリでライカに止められてしまった。
「うっ…危なかったよルーン、私たちがあの死神に気を取られてる隙を突くとは流石だね」
「それはこっちの台詞だよっ!」
ルーンはライカに受け止められるとすぐにバックステップをしてその場を離れた。
「「くらえ!【首狩り鎌】」」
「ぐっ…【剣ノ舞】」
今度はアヤメとキラリスが正面から攻撃をしかけ、その重い2人の攻撃をフゥー1人でギリギリ受け止めた。
「お嬢様に手を出したこと死をもって償ってください!【漆黒の煉獄】」
「ぐわぁぁーー!」
フゥーに急接近したキラリスは目の前で強力な炎魔法を放ち、確実に魔法を直撃させた。
「うくっ…!お姉ちゃん大丈夫…?」
「この粘っこい炎、纏わりついてかなりめんどくさい…でもこれくらい吹き飛ばしてやる!【ウィンドオーラ】【回転斬り】」
キラリスが放った炎は持続的に対象者に纏わりつくようでフゥーもそれによりダメージを受けていたがそれを払うために剣に風を纏わせ炎を吹き飛ばした。
「今のでHPを1割弱しか削れて無いですか…見かけによらず耐久力が高いんですね」
「それはもちろん。型にはまったようなプレイングはつまんないし、私たちは2人でいれば同レベルのプレイヤーのほぼ2倍のステータスポイントを持ってることになるから普通に攻撃にも耐久にも振れるからね」
「ライカ、そんな説明してないで戦闘に集中して!あの死神、私と同等レベルのSTRに高威力の魔法、何より戦闘馴れしているあたりかなり厄介な相手になるよ」
「それは十分承知だよ。もちろん手は抜かないし、いざとなったら私たちも使えば良いでしょ」
ライカの言葉にフゥーはため息をつくもその意図を理解したうえで背中をあずけることにした。




