2本目の大鎌
「アヤメいくよ!【シャドウカッター】」
「はい!【血鎌】」
「ライカ!【雷刃】」
「わかってるよ!【風刃】」
対峙している4人はそれぞれ遠距離攻撃を繰り出し、ちょうど中間地点で相殺された…ように思えた。
「うっ…」
「ぐっ…」
ぶつかり合った4人の攻撃のうち唯一すり抜け効果を持っていたルーンの【シャドウカッター】がライカを直撃し、2人の共有HPを少しだけ削った。
「やっぱり共有HPなら痛覚ダメージも共有するような仕様になってるんだね」
「そうだけど、これくらいのダメージHP的にも感覚的にもたいしたこと無いよ」
ルーンは細かな点でも揺さぶりに利用しようしている反面、ライカは簡単にその事実を認めた。
「それならお二人は楽に死ねるということですね」
(ん?アヤメの雰囲気が変わった…?なにかがくる!)
「先輩、さっそくですがレベル2を使います!」
「いつでもどうぞ。ただし負けないでね」
ルーンにそう言われると、アヤメは頷き大鎌を強く握りライカとフゥーに突っ込んでいった。
「思い過ごしか…ライカ!私がアヤメの攻撃を受け止めるから背後から攻撃してまず1人消す!」
「その前にあなたの首を取る!【断罪の大鎌】」
突っ込んできたアヤメの前にフゥーが立ち二本の剣で大鎌を受け止める体勢になった。そしてその体勢のままフゥーはアヤメの重い攻撃を受け止めきった。
「ライカ!」
「は~い!【雷神の双斬】」
「そうはさせない!【蜘蛛の糸】」
大鎌を受け止められ隙ができたアヤメの背後を狙いライカが攻撃をしかけるがルーンが糸を引き剣をの動きを止めた。
「そうくると思ってたよ~」
「なっ!」
ライカはもう一本の剣でルーンの糸を斬ると動きを止められていた方の剣でアヤメの首筋を狙った。
(とった!)
「【凪払い】」
「えっ…!」
ライカが完全に後ろをとったと思った瞬間、フゥーが受け止めているはずの大鎌にライカの双剣が弾かれた。
「おぉ、呼んだらいつでも来てくれるって本当だったんだね。それにしても久しぶりな気がするよ」
「久しぶりって…今日の朝も会いに来てくてたじゃないですか。それよりここはどうしてもう真夜中なんですか?」
「そういえばそっちとこっちじゃ時間の流れの速さが違ったっけ」
「はぁ…よくわかりませんがお嬢様、いつも言ってましたよね。お嬢様はぺらぺら紙耐久だから背後には気をつけてくださいって」
「あぁ、そうだったね。でも、私には背中を合わせてるあなたがいるから心配ないよキラリス」
アヤメと背中合わせになって現れたのは長い黒髪に透き通るほど白い肌そして高貴なドレスに身を包みアヤメとは違った真っ黒の大鎌を持っているキラリスだった。




