一心同体
ルーンとアヤメは一瞬にして接近してきた2人にギリギリ反応してそれぞれ武器を盾にして防御姿勢をとった。
「ぐっ…さっきと全然速さが違うじゃないですか…」
「まぁ、私たちは2人でいれば2倍以上の力を出せるからね。ここで終わってもらうよ!【風神の砲撃】」
「させない!【アイスシールド】」
フゥーは目の前にいるアヤメに強力な風魔法を放つがそれをアヤメがバックステップをしてできた隙間にフィアの【アイスシールド】で壁を作り受け止めきった。
「やっぱり2人のスキルの恩恵って大きいんですね…」
「知ってるならさっさと負けを認めて消えてもらいます!【雷神の砲撃】」
「…っ!」
「【対雷耐性上昇】【避雷針】」
ルーンに向かって放たれた強力な雷魔法は直後にシュウが使用した【避雷針】の効果でシュウの方に方向を変更し、HPの7割を犠牲にルーンの代わりに受け止めた。
「シュウさん!大丈夫ですか。ポーションを…」
「ルーンちゃん待って!私がやる【スノーヒール】【アイスドーム】」
ルーンを静止してフィアはシュウの回復を片手間で行いながら、【アイスドーム】で4人を囲い防御形態になり2人のことを足止めしていた。
「はぁはぁ…やっぱりあの2人のスキル【一心同体】と【運命共同体】の破壊力はやべぇわ」
「たしか【一心同体】が2人のステータスを共有するスキルで【運命共同体】は片方が使用したスキルの効果をもう片方にも与えるっていうスキルでしたよね?」
「あぁ、今あいつらが使ったスキル【神速】は短時間だが奴らのAGIを2倍にするスキル。単体でも高い奴らのAGIは全く同じステータスを持つ相方の分で2倍、【神速】の同時使用で4倍、つまり奴らのAGIの実数値は今、単体のときの8倍になってる」
シュウの冷静な計算にその場にいた全員が逆に一旦落ち着くことができた。
「常時ステータス2倍に瞬間的にはステータスを8倍にできる上にあの強力な風と雷は面倒…弱点があるとすれば共有のHPとデバフも2倍になるってことくらいか…」
「でも、VITも2倍になっていることは実質的な防御力は4倍になってませんか?」
「と、とりあえず計算は今は置いといて、そろそろあの2人の攻撃でこの【アイスドーム】も崩れるよ」
「は、はい。あの2人のスキルはたしかシュウさんの前情報が確かならある程度距離を離せば効果を発動しないはずですからとりあえず左右に別れて拠点を目指しましょう!」
ルーンがそう言うと他の3人が頷き、フィアの合図で【アイスドーム】を解除した。




