風と雷
「そうは言ってもフゥーはまだ手札を残してるような顔をしてるけど?」
「ふふっ、さすがだよシュウ。私の思考を読めるほど余裕だなんてさすが元【蒼空学園】二枚盾の1枚」
「思考を読んだわけじゃない。お前は頭が良くてポーカーフェイスの割に仕草に出るからな。だてにこっちも何年もお前らとゲーム一緒にやってないんだよ」
「そうか…私って仕草に出ちゃうタイプだったのか気をつけないと…注意ありがとう。そして、ここで消えて!」
フゥーはそう言うと腰にある2本の剣を抜きシュウに対して一気に距離を詰めてきた。
「【トリプルスラッシュ】」
「そんな攻撃受けるかよ!【フレイムウォール】」
フゥーの斬撃をシュウは炎の壁で受け止めると密かにルーンたちに攻撃の合図を送った。
「【ファントムスラッシュ】」
「【首落とし】」
ルーンとアヤメは両サイドからフゥーの隙を突き一撃を入れることができたと確信した。
「ひっかかったね!【雷神の怒り】」
「これで終わりだよ!【風神の怒り】」
「「なっ…!」」
ルーンの短剣とアヤメの大鎌がフゥーに触れる直前、2人はどこからか現れた金髪姿のフゥーの雷撃と攻撃を入れようとしたフゥーの風撃を目の前にした。
「危ない!【絶対零度】」
フィアの【絶対零度】で雷撃と風撃を凍りつかせることでなんとか2人へのダメージは防ぐことができた。
「さすがフィア、氷魔法の質はうちの魔法使いたちの何倍も高いね」
「ライカ、やっぱりお前もいたのか…」
「おぉ、シュウ久しぶり~。お姉ちゃんのいるところには私もいるんだよ~。ちなみにそっちのクランに行ったのはそこのルーンに聞かせてもらってたよ」
ルーンとアヤメはその場からバックステップで引き、金髪のフゥーの姿を今一度確認するとそれはフゥーとシルエット姿が瓜二つのライカだった。
「あっ、そうそうライカ気をつけた方が良いよ。キョウちゃんの情報間違ってたから」
「あ~、ゴスロリの子が投げナイフ使いって話?がっつり大鎌使ってる辺り、キョウちゃんの情報はこの戦闘で頼りにしない方が良さそうだね」
ライカとフゥーは背中を合わせながら4人のことを警戒しつつ、現状把握を行った。
「むぅ~ゴスロリの子って私はアヤメって言うんです!あと、同い年くらいですよね」
「ごめんごめん、アヤメね。私たちと渡り合えるレベルなら覚えててあげるよ」
「あと、私たちこんな身長だけど一応大学生だから。アヤメよりも絶対歳上だと思うよ」
「えっ…そうなんですかシュウさん?」
ルーンの質問にシュウは無言で頷いた。アヤメはそれを見て驚いた表情をしていた。
「も~、そんなことは良いから早く戦おうよ。まずは誰から殺ろうかな~。フィアにするかルーンかシュウかそれともアヤメか迷っちゃうなぁ」
「はぁ、一応キョウちゃんの作戦通り動いてよねライカ。それ以上のことは仕事が終わったあとだよ」
「わかってるって!じゃあ、始めるよ!」
「オッケー!」
「「【神速】」」
2人は同時にAGIを上昇させるスキル【神速】を使い、ライカはルーンとのフゥーはアヤメとの距離を一瞬で縮めた。




