手詰まり
何とかパニック状態から脱することが出来たルーンだったが、現状のキツイ状況は変わらなかった。
「で、ルーンなんかここの情報ないの」
「無いわけじゃないけど、ここはかなりレベル高いよ」
ルーンの何かを含んだような言い方にシルクは気になっていた。
「確かに推奨レベルは高いけどそんなに?」
「うん、まずここのダンジョンは火属性のモンスターしか出てこないんだけど、水と氷属性の魔法は使えない」
不思議に思ったシルクは【ウォーターボール】を使うがすぐに消えてしまった。
「えっ、これってかなりやばくない?弱点とれないよね」
「うん、弱点がとれないのもそうだし、あと何よりも気をつけないといけないのが亜種だよ」
ルーンの言葉にシルクもハッとした表情で次第に青ざめていった。
「確かに、ここの推奨レベルの2倍ってことは…」
「そう、亜種のレベルは50超えだからトッププレイヤーが束になってやっとのレベルだし、強さでいえばシルクが会ったっていう死神の比じゃない」
【月狼の洞窟】の白狼のような他とは違うレベルの敵でしかも2人の約3倍のレベルの敵となると、まずやりやって勝てる相手ではないことは分かっていた。
「でもまぁ、亜種は出現率に関しては1%以下だし出てくることはないと思う。って所までしか私は知らない」
「じゃあ、マップも分からないここで頑張るしかないのか…」
シルクがそう言うと、ルーンは少しシュンとして下を向いていたがシルクはそれに気づきすかさずフォローをした。
「大丈夫、大丈夫だから、頑張れば何とかなるよ。ここにいたらいろいろと考えちゃうし早く進もう」
「あ、うん。そうだよ、何とかなるはず…頑張れば」
シルクの言葉に感化され、ルーンとシルクはダンジョンの中を進むことを決意した。
「シルク早くしないと、フレイムリザードマンに追い付かれるよ」
「分かってるよ。これでも十分とばしているんだってば」
2人はいざダンジョン攻略をしようとしたはいいもののやはりレベル差と弱点がつけないことが災いしフレイムリザードマン一体一体を倒すのにかかる時間が長く、フレイムリザードマンが倒しきれないほど集まってきてしまい、全力で逃げていた。
「ヤバイ、こっち行き止まりだよ」
「じゃあ、こっちに行こう」
2人は細い道に逃げ込み敵を撒くことに成功したが逃げ惑う内に自分たちがいる場所がまるで分からなくなってしまった。
「はぁはぁ、何とか逃げきれたけどここどこ」
「分からないよ。とりあえずポーション飲ませて、MPがもうつきちゃいそう」
そう言ってシルクはMPポーションをアイテムボックスから取り出し使うとふとあることを考えついた。
「ねぇ、ルーンここって結構いい感じの場所じゃない」
「えっ、どういうこと?」
シルクは今、思いついたことをルーンに話すとルーンもシルクの考えに賛同し、2人は作戦を進めることにした。




