緊急防衛体勢
ーバン!ー
「ルーン先輩!氷壁が破壊されました!」
「本当!って、ことはさっきのバリンバリンっていう大きな音はその音だったのか」
「はい、【蒼空学園】の金髪で両刃斧を持った女プレイヤーが氷壁を粉々に砕いたので、私はその連絡に…フィアさんはそのプレイヤーと流れてきた他のプレイヤーを足止めするために上から攻撃しています」
ルーンは一瞬、アヤメの連絡に驚いたが次第にホッとしたような顔をして椅子に深く座った。他のメンバーも落ち着いた表情をしていた。
「アヤメ、それなら心配いらないよ。氷壁を砕いたのはともかくとして、フィアさんの攻撃にトラップだらけの敷地を掻い潜ってここにたどり着くのは難しいよ」
「そーだよアヤメ、フィアさんが相手だったらどんなプレイヤーでも…ん?フィアさんからメッセージ…っ!ルーン、これ…ヤバイやつじゃない?」
「どうしたの?2人とも…えっと、とりまきのプレイヤーは簡単に倒せたけど、あの女には全く効いてない。もうすぐで下の玄関を破壊してなかに入ってくるから準備して…って、これなかなかなプレイヤーがきたんじゃないの!」
アニがメッセージを読み終わると、その場の空気がピンと張りつめ真剣な雰囲気になった。
「エイルさん!金髪の女性プレイヤーで両刃斧使いの有名な人って知らないですか?」
「いや…聞いたことが無い。でも、【蒼空学園】のことならシュウくんの方が詳しいんじゃ…」
「すみません、俺もそのプレイヤーは知らないです。もしかしたら、俺が抜けたあとに入ったソロプレイヤーかも…」
ードーン!ー
「…っ!」
全員がなにかしらの情報を得ようとしているなか、扉を氷もろとも破壊された音がした。
「エイルさんとシルクはフィアさんと入れ替わりで屋上に!私、アヤメ、シュウさん、ブランでそのプレイヤーを迎え撃つ!アニさんは食堂に自然のバリケードを作って完全封鎖状態にしてクリスタルの保護!」
「「「「「了解!」」」」」
全員ルーンの指示を聞き頷くと、それぞれの役割りを果たすために早急に持ち場に向かった。
「アヤメ!」
「は、はい、何ですか?」
「鎌じゃなくて投げナイフを使って。アヤメは明日の重要なメンバーになってくるからあまり危険は犯さないように相手と距離をとって戦闘して!」
「分かりました!いざとなったらあれも…」
「うん、使っていい。ただし、あれを使ったらプレイヤーを絶対に倒して」
アヤメはルーンの指示を聞き、大鎌から投げナイフに切り替えて臨戦態勢になり、いざとなったらの秘密兵器も使えるようにしっかり準備した。




