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天からの光景2

「おぉ!【FirstStars】がここで消えたか。大体予想通りだが少し早かったな」


「はい、潰したのはログを見る限り【犯罪者ギルティナイト】ですが、このクランは協力関係にあったはず…」

森田は不思議そうにクリスタル破壊やポイント移動などのログを見ながら言った。


「まぁ、ゲームのイベント中に裏切りが起こるなんてよくあることだよ。実際、現実でも戦国時代の裏切りの話なんて別に珍しい話でもないしね」


「たしかにそうですが、今【FirstStars】を倒しちゃうと【犯罪者ギルティナイト】は最大規模クランと2対1の状況になりませんか?」


「そんな状況でもなんとかできるような策があってやったのか、残り2つのクランと内通してるのか…個人的には前者の方がありそうだけどプレイヤーの考えはわからないからなぁ」

絹塚はそう言いながら、2日目のポイント移動についてのデータを見ていた。


「たしかにそうですけど、後者は全く無いとは思いますよ。【ミルキーウェイ】は2日目のお昼に攻撃を仕掛けてますし、【蒼空学園】も、ほらちょうど今、攻撃中です」


「ん?あっ、本当だな。えっと…攻めてるなかにはトップ12らしきプレイヤーはいないが人数は100弱。一方、防御側は次席のフィアと残り2人、死神と不死鳥か…」

絹塚は森田に言われ目の前のモニターに映っている氷の要塞と化した洋館を見ながら冷静に分析した。


「絹塚さんはどう思います?たぶん、瞬間帰宅機能で残りのメンバーが帰ってくるとは言え、【犯罪者ギルティナイト】はこの人数差は不利だと思いますけど…」


「不利か…たしかに人数差は大きいし、それが低レベルならともかくレベルが高い上に連携に長けた【蒼空学園】が相手だからそう思うだろうけど戦闘する場所が場所だしね」


「そう言われるとそう思いますけど…絹塚さん、さっきからそのタブレットで何を見てるんですか?」


「ん?あぁ、2日目のポイント結果だよ。プレイヤーに通達済みのやつだけど少し気になることがあったからね」

絹塚はそう言ってタブレットを森田に渡すと一気に一番上までスクロールした。


「まず、1つ明らかなのは全体的に1日目よりも圧倒的にポイント変化が小さい。これは小中規模のクランが減少した結果だね。だけど、そのなかで1日目の取得ポイントとほぼ変化が無いクランが1つある」


「っ!【FirstStars】ですか…?」


「そうだ。どうやったのかは大体見当もついてるが、逆にそれを【犯罪者ギルティナイト】に利用されて意表を突かれたから負けたんだけどね」


「へぇー、でもこれって【FirstStars】は実際勝ち逃げしたって感じじゃないですか!」


「うん、今残ってるクランは15、だけど【FirstStars】は他のクランが残り3日間どう足掻いてもトップ4入りは確定のポイントをもう稼いでるからな」

絹塚はそう言ってタブレットを横スクロールし、これからの傾向を予想したグラフを出した。


「そうなると、残りの最大規模クランがどんな順位になるか楽しみですね」


「このグラフの予想通りになると思うけど、番狂わせはいつも起こるからなぁ」

絹塚はニヤっと笑ってそう言いうと、タブレットの電源を切り目の前のモニターを見ることにした。

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