崩壊、そして…
青い光となって消えてしまった塔のなかにいたブランはそのまま空中に身を投げられてしまった。
(っ、やばい。このままじゃ落下死だ。こんなことなら解除しなくても…)
「おっと!大丈夫だったブランちゃん?」
身を投げられたブランはそのまま落下して地面に叩きつけられるかと思われたが見事に翼の生えたエイルに空中でキャッチされた。
「はい、で、でも師匠が…」
「それなら大丈夫。ほら、あそこ」
エイルの視線の先にはシルクの箒に掴まり、なんとか落下死を免れ、ホッとしているルーンの姿があった。
「はぁ…それにしてもブランちゃんがクリスタル破壊してくれて助かったよ。こっちでひきつけてたリリスにもはや手も出せない状況になりかかってたから…」
エイルはそう言いながら地面にゆっくり降りるとブランを地面におろした。
「ありがとうございます。でも、そんなにあの半天半魔って強いんですか?」
「あぁ、強いもなにもこのクレーターを作ったのは奴だったからな」
「へぇー、そうなんですね。じゃあ、これからの師匠たちが楽しみです」
ブランはエイルにそう言うとさっさとルーンたちの方に行ってしまった。
「ブラン、クリスタルの破壊よくやったよ。シルクもアニさんもエイルさんもリリスのひきつけ役請け負ってくれてありがとうございます」
「いや、師匠の作戦が上手くいったんです。私はそのお陰で文字通り美味しい思いさせてもらっただけです」
「あはは…やっぱりブランはアレを実行したんだね」
ルーンはブランの言葉を聞いてなにかを察したような顔をしていた。
「それより、私たちの方が大変だったよ。リリスを挑発したら大変なことになったし…」
「それもごめんって…。ん?アヤメからメッセージが…っ!みんな、拠点が襲撃を受けてる!」
「「「「っ!」」」」
アヤメからのメッセージの内容に全員が驚愕した。そして、全員が詳しい内容を確認しようと身をのりだしルーンの画面をくいいるように見た。
「ルーン先輩、緊急事態です。【蒼空学園】がうちの拠点を襲撃に来ました。トップ12のメンバーはいませんしフィアさんの氷壁でくい止めてはいますがいつ氷壁が崩れるかわからないので早急に戻ってきてください」
「フィアさんの氷壁がいつ崩れるかわからないって、アヤメのSTRでも薄い氷さえ傷つけられなかったのに…」
「それ以上のSTRのプレイヤーが相手にいるってことになるのか…。でも、そうなると移動手段はどうする?行きと同じ方法だと間に合わないよ」
「それなら心配いらないですよ。皆さんが一瞬で拠点に帰れる方法を知っていますから」
ルーンは余裕そうにそう言うが、他のメンバーたちは頭の上に?を立てていた。




