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1つ前

リリスが外で【天魔再臨】を使う数分前、ルーンとブランの塔攻略組はクリスタルのある最上階まで残り2階となる階の敵を全員倒し階段を上っていた。


「ブラン、そろそろ本当に強いプレイヤーが来るから注意して。多分チェインさんとあと1人いるはずだから」


「そのチェインって人とはあのとき戦ってますから大丈夫って言いたいですけど、あの人は4人のなかで一番力をセーブして戦ってましたから正直不気味です」


「えっ、そうだったの?」


「はい、あのとき違和感を覚えるほど簡単に殺ることができたので、始めから勝つ気が無かったと思います」

2人は階段を駆け上がりながらそんな話をしていると、次の階層の近くまで来たことを確認して一瞬で会話を止め、ピタッと足音を消して次の階にたどり着いた。そこにはシルクハットにマント姿の男が1人立っていた。


「やぁ、こんばんは。ルーンちゃんそして…」


「ブランですけど、あなたは…?」


「初めまして、僕の名前はジャック、ルーンちゃんと同じトップ12の1人で二つ名は【RSF】だよ。よろしく」


「余裕ぶって隙だらけですよ!【トリプルスラッシュ】」

ルーンは余裕そうにしているジャックに先制攻撃を仕掛けようとしたが持っていた杖で全ていなされてしまった。


「じゃあ、私が!【粘糸】【四肢拘束】」


「【炎の4カード】」

今度はブランが糸で動きを封じようとするがジャックのスキルによって焼き斬られてしまった。


「ストップ、ストップ2人とも血の気が多すぎるよ。ちょっと、僕と話していかない?」


「はぁ?もしかして足止めのつもりですか?そのつもりなら私はのりませんよ」


「いやいや、そんなことじゃないよ。僕から1つ提案、1人がここに残って僕と戦うなら1人は無条件で階段を使って上の階に行ってもらって構わないよ」


「「へ?」」

ルーンとブランはジャックの言っていることが一瞬、意味がわからなかった。


「だから、どっちか1人は先に行って良いよって言ってるんだよ。まぁ、上にはチェインがいるけどね」


「師匠、どう思います?トラップとか仕掛けてそうな感じがするんですけど」


「ブラン、安心して。あの人は嘘をついてない。本気で私たちどっちかを上に行かすつもりだよ」

ルーンはなんとなくであるが今までの会話でジャックという人間がどういう人なのかをつかんでいた。そして、ジャックの言う通り上の階にチェインがいるということも本当だろうという確信もあった。


「なら、私が上がっても良いですか?奥の手のこともありますから」


「うん、そのつもりだよ。1度戦闘している分、少しでもこっちにアドバンテージがあった方が良いし」


「じゃあ、上に行くのはそっちのブランちゃんの方で良いんだね?」


「はい、チェインの方は私が倒しておきますから師匠は適当に相手しておいてください」

ブランはそう言ってジャックの横を通り最上階につながる階段を上っていった。


「じゃあ、ルーンちゃんは僕が相手するよ。正直、1つ下の順位のキミには興味があったんだよね」


「ブランはああ言ってましたけど、私はさっさと倒しますよ。クリスタルを破壊したいんで」

ルーンは両手に短剣を構え、ジャックは右手に杖、左手に2つのサイコロを遊ばせるように持ってお互いに睨み合いながら隙を伺っていた。

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