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前回と違うもの

ルーンとブランが着々と塔を上っていっている間にシルクはリリスとくしくも第2回イベントと同じ1対1の空中戦という構図になっていた。


「【ブラックオーラ】【デビルランス】」


「くっ…当たったらヤバそう…。でも、前回と同じように全然避けられる攻撃だよ!【ファイヤーバレット】」

シルクはリリスの攻撃を簡単に避け、タメの少ない魔法をリリスに放った。リリスは当然避けるかと思われたが、その魔法を槍で弾き攻撃を反らした。


「シルク、あなたの考えること私にはわかってるよ。私をわざとあなたと窓の直線上に誘導して私が避けたらクリスタルにダメージを与えようとしたんでしょ」


「あはは…バレてたか。リリスって見た目に反して案外察しが良いんだね」


「良いこと教えてあげる。今の私たちの状況は前回と違う点が2つある。1つは私があなたを見下してないこと、そしてもう1つはここにルーンさんがいないこと!」

リリスはそう言うと翼を羽ばたかせ辺りの空気を自身の前に集め、空気の渦のようなものを作り出した。


「一撃で地面に落としてあげる!【黒嵐】」


「うっ…これはこっち!【ダークボール】」

リリスの放った小規模の黒い竜巻にシルクが放った【ダークボール】はなす術無く弾き返され、シルクはそのまま黒い竜巻に飲み込まれてしまった。


「よし、これでシルクは地面に落ちて…っ!」


「ふぅ、ダメージは全く無いか。さすが【暴食のローブ】、このかたちの魔法でも吸収できるのか。正直、ぶっつけ本番だったから不安だったけどこれなら戦える!」

黒い竜巻に飲み込まれたと思われたシルクだったが【暴食のローブ】のスキルで黒い竜巻ごと吸収してしまった。


「前回と違うのは私だけじゃないってことか…。驚いたよシルク、じゃあ次はこれだよ!【上級悪魔召還】【中級悪魔召還】」


「うわっ、今度は物量で私を潰そうって考えかぁ。まぁ、単純で一番効果あるよね。でも…」


「エイルさん!【エンチャント:悪魔キラー】」


「ナイス、アニ!【矢の雨】」

シルクの合図でアニがエイルにバフをかけるとエイルは上空に向かって一本の矢を放ち、それはシルクやリリスよりも高く撃ち上がりそれは落下する瞬間数えきれない数に分離してリリスに召還された悪魔たちを貫いた。


「なっ…!悪魔が…って、私もヤバイ!」


「リリス、隙だらけだよ!【ファイヤーバレット】【アイスバレット】」


「ぐはっ…!ぐっ…」

リリスは上から降ってきた矢を必死に槍で弾き返していたが、シルクの攻撃までは避けられなかった。


「リリスは知らないだろうから今度は私が教えてあげるよ。今の私はリリスと違って本気じゃないよ。今の私はリリスなんか敵じゃないレベルで強いよ」


ープチンー


「へぇー、そうなんだ。なら、この姿の私にも勝てるってことだよね」

シルクに煽られると、リリスのなかで大事なものが切れてしまったような音がした。そして、リリスの目は虚になり不気味な雰囲気を出していた。


「良いよ見せてあげる【天魔再臨】」


「うぅっ!な、何これ…」

リリスがスキルを使った瞬間、リリスを中心として黒い渦が発生した。それは次第にリリスの身体をまるで繭のように覆ったと思うと、その繭の右から悪魔のような漆黒の羽が左からは天使のような純白の羽が生えてきた。


「こ、これは…」


ーパリンー


「ふぅ、シルクこれから私と第2ラウンド始めようか」

そう言うリリスは左右の羽に対応するように髪と目も黒と金にわかれ、そこにいるのはリリスの容姿をした悪魔でも天使でもあり、悪魔でも天使でも無い存在だった。

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