作戦実行
時間は進み夜も深くなり2日目の終わりまで残り5分をきろうというところで【FirstStars】のメンバーはある作戦を実行しようとしていた。
「あー、あー、聞こえるか?全クラン、ちゃんと繋がってるなら返事よろしくお願いしまーす」
「はい、聞こえてます」
「聞こえてますよ。チェインさん」
「こっちも問題ありませんよ。どうぞ」
チェインの確認に通話ができたクランの担当メンバーから次々に了解の返事がきた。
「よ~し、準備オッケーだな。じゃあ、各々のクランのクリスタル、壊さない程度に攻撃しちゃって」
「「「「了解!」」」」
チェインの合図で通話越しにクリスタルを攻撃する音がしばらくの間ひびいていた。
「チェイン、こんな作戦でポイントって貯まるの?」
「あぁ、それならもうすぐ…いや、あと3分とちょっとで分かるから見てろよ」
2人の言う作戦とは今日の早い時間、ジャックが提案した作戦のことで傘下のクランのクリスタルを攻撃し、自分たちのクランにポイントを入れるというものだった。
「まぁ、チェインにはそうとしか言い様はないわよねぇ。あっ、それより提案者のジャックはどこ行ったの?」
「ジャックなら今は1つ下の階で寝てるぞ。アイツはやる気出すときはすごいけど調子のムラがなぁ」
「私としては別にそれでも良いけど、それもまぁジャックの職業病みたいなものでしょ」
「そうなんだけど…リリスもジャックも俺にめんどくさいこと全部押しつけるのをやめてほし…」
ードカーンー ードカーンー
「「…っ!」」
チェインが普段からたまっていた愚痴言っていると、塔の下から爆発が2度3度と起こった。
「おい、何が起こってる!」
「しゅ、襲撃者です。人数は確認できるだけで…」
「やっほー、久しぶり。リリス、チェインさん」
チェインが下にいるクランメンバーと連絡をとっていると、目の前の窓から箒に乗った少女が顔を出していた。
「シルク!ってことは…」
「そういうことだよ。襲撃者は私たち【犯罪者の夜】のメンバーですよ。それにもちろん、ルーンもいますから安心してください【ファイヤーバレット】」
シルクはそう言ってリリスとチェインの間を通る精密な魔法コントロールでクリスタルを撃ち抜いた。
「なっ…く、クリスタルは…無傷?」
「あーあ、タイミングがちょっと早かったみたいですね。0時のクリスタルのHP回復で今の攻撃が無意味になっちゃいましたか…」
「リリス!シルクの相手をしてくれ。俺はジャックを起こしてくる。何人来てるからわからないから注意して」
「了解!【黒翼】」
リリスはチェインの指示を聞く前に窓から身をのりだし、黒い翼を背中から出してシルクとの空中戦に挑むこととなった。




