合流、そして…
ルーンが先行してアリアたち【蒼空学園】のプレイヤーと遭遇していたとき、シルクたち4人は20人近いプレイヤーに囲まれていた。
「あーあ、ルーンちゃんと入れ違いでここに来たって感じかな。まぁ、これくらいの人数大丈夫だろう。作戦通り最低限の戦闘で逃げきるよ!」
「「「了解!」」」
エイルの合図とともに全員が進行方向に向かって走り出した。敵もトップ12の2人を有する相手が逃げるとは思っていなかったのか焦って追いかけてきた。
「ブランちゃんは粘着質の糸で足止め、シルクちゃんは魔法で目眩まし、アニちゃんはできるなら蔦で壁を作ってこっちに進ませないように!」
「了解です!【粘糸】【蜘蛛ノ巣】」
「わかりました!【ライト】【フラッシュオーブ】」
「できますよ。それくらい!でも、壁を作るには少し足りないので!【蔦創造】【蔦操作】」
全員エイルの指示通りブランは糸での足止め、シルクは光りで目眩まし、アニは自身で蔦を出現させそれで瞬時に編み壁を作った。
「よし、全員ナイスだよ」
「はい、でもできるだけ早めに進んだ方が良いですね。さっきみたいなのに囲まれるのは構いませんが私の場合、毎分MPを消費するのでそれに加えて無駄なMP消費はできるだけ避けたいです」
「わかった。じゃあ、これを使おうか。アイテム【ハヤブサのポーション】」
アニはそう言って周りのプレイヤーのAGIが急激に上がる自作の【ハヤブサのポーション】を地面に叩きつけた。
「おぉ!しっかりステータス上昇してますよ。しかも、かなり大幅に」
「うん、でもこれは数もあんまり作ってないし効果時間も長くはないから急ごう!」
「オッケー、それなら私も全速力出しちゃいますよ!」
唯一ここにいるメンバーでAGIが移動に関係無いシルクはそう言って、今までのスピードよりも1段階くらいギアを上げたように箒を加速させた。他のメンバーも底上げしたAGIでシルクについていった。
そしてそこから数十分後、4人はルーンとの合流地点であるジャングルの出口までたどり着いた。
「えっと…合流場所までたどり着いたけど、ルーンちゃんは一体どこに…」
「そうですよね。師匠ならもう着いているはずですが…」
「私ならここにいますよ」
4人は辺りを見回しルーンを探していると、ルーンは4人の後方にある木から飛び降りて現れた。
「うわっ!ビックリしたぁ~」
「ごめんごめん、でも誰も欠けることなく来れたのは第一関門突破ってことだね」
「それじゃあ、ここからは全員まとまって行動しましようか。ここからは険しい山岳地帯ですし」
ルーンはそう言って目の前に広がっている炎や雪を纏っている山岳地帯を見上げた。
「そうだね。目指すのはあの山岳地帯の奥にある塔だし、その前に大量のプレイヤーもいそうだし」
「それじゃあ、行きますか師匠!【FirstStars】の拠点を潰しに」
笑顔でそう言ったブランにルーンはグータッチを要求するそぶりを見せ、ブランもそれに応じた。




