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絶対的な勝ち筋

ルーンは驚いて声も出なかったメンバーのことをよそに作戦の説明を始めた。


「まず、襲撃の時間ですけど今回はシンプルに夜、少人数での寝込みを襲う感じです。まぁ、少人数って言っても8人でも十分少人数ですけどね」


「いやいや、リーダーストップ!その前にどうしてこのタイミングでそこに戦闘を仕掛けようとするんだよ」


「単純です。勝つため以外にそのクランに攻撃を仕掛ける意味はありません」

ルーンはそれがさも当たり前のことのようにシュウに言うと、他のメンバーも唖然としていた。


「ルーン、それ本気で言ってるの?それって下手したら5日目を待たずして負けるってこともあるんじゃ…」


「まぁ、それも無くは無いんだけどそれって今、攻めることをするかしないかで可能性が変わるだけです」


「いや、それはそうだけど…ボクたちがそんなことをしたら他のクランが共謀して襲ってくる可能性も…」


「いいえ、それは万が一にもありません。このイベント前に事前に根回しをしましたから」

ルーンは断言するようにそう言うと、フィアはなんとなくルーンの言う事前の根回しに検討がついた。


「ルーンちゃん、その事前の根回しってアレのことだよね?」


「はい、そのアレで合っていると思います。フィアさんもそれを考えたら今回の作戦は、イベントの勝利に繋がると思いませんか?」


「うん、たしかにそれを考慮したら全然問題無いと思うよ。作戦通り、うまくいけば優勝だって狙えるよ」


「そうですよね!それでは、今回の攻守の割り振りについて発表したいと思いまーす!」

ルーンはフィアにあと押しされご機嫌になり、唐突に話題を作戦の実行のことにうつした。


「はぁ…もう何でもいいです。師匠、説明してください」


「オッケー、じゃあまず攻撃班について。私、シルク、エイルさん、アニさん、そして秘密兵器その1としてブランの計5人で攻撃していきます」


「じゃあ、私とフィアさん、シュウさんはお留守番ってことですね」


「うん、そういうことだよ。でも、その3人には4日目に大事なことを任せる予定だから、その前の休憩を兼ねてクリスタルの守備をしてください」

ルーンの言うことを理解し、クランメンバー全員が頷くと話を次のステップに進めた。


「それでは次にここを出発する時間ですが、午後8時にしたいと思います。到着予定時間は日付けが変わる3日目午前0時にしたいです」


「別にそれでも良いけどボクは箒のあるシルクとか元々AGIが高いルーンとかエイルさんとかブランよりもかなり足が遅いけど大丈夫?」


「それなら心配いらないですよ。私がとっておきの乗り物持っているで貸してあげます」

ルーンはニヤッと笑いながらアニに向かって親指を立ててそう言った。

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