FirstStars
ルーンたちが作戦を練っているときと同時刻、東にある塔の最上階そこにはリリスやチェインといった【FirstStars】の幹部たち3人だった。
「お~い、チェイン。このランキングの結果どういうことなの~?なんでうちが最大規模クランのなかで最下位なのかな~?」
「はぁ、だから前にも言っただろ。これはあくまでうちとルーンのところとの作戦だって言ってるだろ。この結果が嫌ならルーンのところに1人で攻めに行けよ」
「うぅ…それは嫌です…。ごめんなさい…」
第2回イベントの一件から続くリリスのルーン恐怖症は治っておらず、名前を出すだけでこの調子であった。だが、今までわがままばかりであったリリスをコントロールしやすくなったとチェインは少しありがたく思っていた。
「チェイン、リリスちゃんを泣かすのはダメだよ。僕のトランプとサイコロがそう言ってる。それに今から今日の作戦について話合うんでしょ」
チェインに抑揚の無い気だるげな声で話しかけたのは赤と黒の髪に白い肌、髪の色と同じ2色の目にチェック柄のマントを羽織りシルクハットを被った男だった。
「あぁ、そうだったなジャック。とりあえず、俺たちは同盟を結んでいる【犯罪者の夜】以外の2クランに注意しつつ、潰せるなら潰すという感じだけどそこは変更無しで」
「そんなことはわかってるのよ。夕方にあったエイルの爆撃みたいな方法はうちに無いの?」
「そんな戦い方ができるならもう僕たちはやってるよ。そういえば、なんでリリスちゃんはあの爆撃がエイルのものってわかったのかい?」
ジャックと呼ばれていた男はなぜリリスが夕方の爆撃騒ぎがエイルの犯行だとわかったのかが気になり質問した。
「えっ、そんなもの簡単よ。あの規模の爆発を大量にしかも小規模クランをピンポイントで同じ時間帯に起こすことができるアイテムを作れるのはエイルだけだもの」
「まぁ、それなら俺たちを使う前に【犯罪者の夜】がこんな大量のポイントを稼いでるのも納得だな」
チェインはそう言って先ほど発表された1日目のランキングを眺めていた。
「そんなことよりも…チェイン、ジャック!ここから逆転する方法って何か無いの?」
「んなこと言われても、地道に他のクラン潰すしか無いんじゃないのか?もしくは、不可能に近いが小規模クランを占拠してそのクランのプレイヤーを1人残して、そこのクリスタルにHPが回復する度にダメージを与えるか」
「おっ、チェインそれ良い。たしかに他のクランじゃ難しいかもしれないけど僕たちのクランならその作戦簡単にこなすことができるかもだよ。2人とも、耳をかして」
チェインの提案で何かを思いついたのかジャックは静かな笑みを浮かべ2人に思いついたことを耳打ちをした。




